
口の中が清潔でないとむし歯や歯周病になりやすいことはみんな知ってるね。それだけじゃなく、いろいろな病気にかかりやすくなるんだ。日本歯科医師会に教えてもらったよ。
- 歯医者さんの仕事
- 歯と口の健康を守る仕事
- 医療に関する仕事
本当。ウイルス感染しやすくなるなど、病気にかかりやすくなります!
口の中が清潔じゃないと……

1ウイルスが体内に
侵入しやすくなる

インフルエンザなどのウイルスは口に入るだけでは感染しません。細胞の中に入り込むことで感染するのです。口の中に歯周病菌などの悪い細菌がいると、ウイルスの体内への侵入を手助けしてしまいます。
※イラストはイメージです
2口の中の防御機能が
低くなってしまう
口の中には無数の細菌がいます。体を守る細菌もあれば、歯周病菌のように悪さをするものも。そこで「IgA」という抗体が悪い細菌やウイルスをやっつけています。しかし、口の中が清潔でないと悪い細菌が増え、IgAによる防衛が難しくなります。
3全身の免疫力が
下がってしまう

口から入った細菌が、だ液や食べ物と共に食道や胃を通って腸内にたどり着くことがあります。そして「腸内細菌」のバランスが崩れると、さまざまな病気を発症しやすくなります。お口のケアを怠ると、全身の免疫力が低下する危険性があるのです。
歯周病とは
歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病菌によって引き起こされるこわい病気です。むし歯は歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病は歯の土台となる歯ぐきや骨が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
人がいる所では「口閉じ歯みがき」
むし歯や歯周病予防だけでなく感染症対策にも「歯みがき」は欠かせません。学校などの人が集まる場所で歯みがきをするときには、つばが飛び散らないように注意。そこで身につけたいのが「口閉じ歯みがき」です。前歯の外側をみがくときには、口をすぼめてブラシ部分を覆うようにしましょう。歯ブラシを動かしやすいよう、口に力を入れすぎないように閉じるのがポイントです。

▼ 特殊なカメラで撮影 ▼

口を開けてみがくと大量の飛沫(細かいしぶき)が飛ぶ

口閉じ歯みがきをすると効果は絶大
歯と口の健康を守る歯医者さんの仕事

口の中を清潔にすることが、歯だけでなく全身の健康に役立つことがわかってもらえましたか? そんな歯と口の健康を守ってくれる強~い味方が歯医者さん。どんなことをしているか、見てみましょう。
歯と歯ぐきの病気を治す
むし歯や歯ぐきの病気などを治療して、健康な状態を保つようにします。むし歯になった部分は、けずって別の材料をつめたりします。
歯医者さんは歯を治すために、いろいろな道具を使っているよ。

お口の機能を守る

安全・安心な歯科医療を提供するだけでなく、医療・介護など幅広い知識や見識を備えて、人々の生涯にわたるお口の機能の維持・向上を支えています。
歯と歯ぐきの病気の予防

むし歯や歯ぐきの病気などにならないように、歯のみがき方を教えたり、予防のための治療をしたりしています。
正しい歯のみがき方を教えてもらえるのね!

アスリートを助ける
「スポーツデンティスト」
スポーツ中の歯や口のケガを防ぐ道具が「マウスガード」。歯や口の形は人によって違うので、選手一人ひとりに合ったマウスガードが必要です。そこでスポーツデンティストの出番です。学校競技からオリンピックやワールドカップといった世界的な大会まで、アスリートたちが全力でプレーできるのも、スポーツデンティストが歯と口をしっかりとサポートしているからなのです。


▲強い衝撃から歯を守るマウスガードは、衝撃を吸収する素材でできています。2021年の東京オリンピック選手村の診療所では、日本の歯科医師が選手たちのマウスガードの作製や修理を行いました
マウスガードのおかげで安心して運動できるケモ。

歯医者さんと一緒に、口腔(こうくう)健康管理に取り組みましょう
日本歯科医師会 会長 堀 憲郎さん
歯医者さんには、患者さんの治療をする人、研究をする人、教育をする人、国の歯科医療政策に関わる人など、いろいろな役割があります。最近は研究分野の取り組みが進み、「口の状態が全身の病気に関係すること」が分かってきました。「肺炎」「糖尿病」「認知症」「早産」「循環器病」などとの関連が知られています。
そこで歯科医院では、むし歯治療だけでなく「口腔健康管理」という総合的に口の健康を増進させる取り組みをしています。患者さんによって口の中の状態はさまざまなので、それぞれに合った歯や口の手入れや、定期的なメンテナンスなどを実施します。
年をとっても豊かに楽しく過ごすためには、いつまでも自分の口から食事をとること、話すこと、笑うことが基本です。若いときから歯医者さんと一緒に「口腔健康管理」に取り組みましょう。
口の健康と全身の健康とは深い関係があります。
