口の中を清潔にしていないと病気になりやすいって本当?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2024年度
公益社団法人 日本歯科医師会

口の中が清潔でないとむし歯や歯周病になりやすいことはみんな知ってるね。それだけじゃなく、いろいろな病気にかかりやすくなるんだ。日本歯科医師会に教えてもらったよ。

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  • 歯と口の健康を守る仕事
  • 医療に関する仕事

本当。ウイルス感染しやすくなるなど、病気にかかりやすくなります!

口の中が清潔じゃないと……

口の中が清潔じゃないと病気にかかりやすくなります!

1ウイルスが体内に
侵入しやすくなる

ウイルスが体内に侵入しやすくなる

インフルエンザなどのウイルスは口に入るだけでは感染しません。細胞の中に入り込むことで感染するのです。口の中に歯周病菌などの悪い細菌がいると、ウイルスが体内に侵入する手助けをしてしまいます。

※イラストはイメージです

2口の中の防御機能が
低くなってしまう

口の中には無数の細菌がいます。体を守る細菌もあれば、歯周病菌のように悪さをするものも。そこで「IgA」という抗体が悪い細菌やウイルスをやっつけています。しかし、口の中が清潔でないと悪い細菌が増え、IgAによる防衛が難しくなります。

3全身の免疫力が
下がってしまう

全身の免疫力が下がってしまう

口から入った細菌が、だ液や食べ物と共に食道や胃を通って腸内にたどり着くことがあります。そして「腸内細菌」のバランスが崩れると、さまざまな病気を発症しやすくなります。お口のケアを怠ると、全身の免疫力が低下する危険性があるのです。

歯周病とは

歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病菌によって引き起こされるこわい病気です。むし歯は歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病は歯の土台となる歯ぐきや骨が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまいます。

人がいる所では「口閉じ歯みがき」

むし歯や歯周病予防だけでなく感染症対策にも「歯みがき」は欠かせません。学校などの人が集まる場所で歯みがきをするときには、つばが飛び散らないように注意。そこで身につけたいのが「口閉じ歯みがき」です。前歯の外側をみがくときには、口をすぼめてブラシ部分を覆うようにしましょう。歯ブラシを動かしやすいよう、口に力を入れすぎないように閉じるのがポイントです。

口閉じ歯みがき

特殊なカメラで撮影

特殊なカメラで撮影した口を開けた歯磨き

口を開けてみがくと大量の飛沫(細かいしぶき)が飛ぶ

特殊なカメラで撮影した口閉じ歯みがき

口閉じ歯みがきをすると効果は絶大

歯と口の健康を守る歯医者さんの仕事

歯医者さん

口の中を清潔にすることが、歯だけでなく全身の健康に役立つことがわかってもらえましたか? そんな歯と口の健康を守ってくれる強~い味方が歯医者さん。どんなことをしているか、見てみましょう。

歯と歯ぐきの病気を治す

むし歯や歯ぐきの病気などを治療して、健康な状態を保つようにします。むし歯になった部分は、けずって別の材料をつめたりします。

歯医者さんは歯を治すために、いろいろな道具を使っているよ。

歯医者さんのいろいろな道具

お口の機能を守る

お口

安全・安心な歯科医療を提供するだけでなく、医療・介護など幅広い知識や見識を備えて、人々の生涯にわたるお口の機能の維持・向上を支えています。

歯と歯ぐきの病気の予防

歯と歯ぐきの病気の予防

むし歯や歯ぐきの病気などにならないように、歯のみがき方を教えたり、予防のための治療をしたりしています。

正しい歯のみがき方を教えてもらえるんだ!

ミナ

アスリートを助ける
「スポーツデンティスト」

スポーツ中の歯や口のケガを防ぐ道具が「マウスガード」。歯や口の形は人によって違うので、選手一人ひとりに合ったマウスガードが必要です。そこでスポーツデンティストの出番です。学校競技からオリンピックやワールドカップといった世界的な大会まで、アスリートたちが全力でプレーできるのも、スポーツデンティストが歯と口をしっかりとサポートしているからなのです。

歯のケガが多いスポーツ
マウスガード

強い衝撃から歯を守るマウスガードは、衝撃を吸収する素材でできています。2021年の東京オリンピック選手村の診療所では、日本の歯科医師が選手たちのマウスガードの作製や修理を行いました

マウスガードのおかげで安心して運動できるポン。

ガラポン

しっかりかめる!歯と口の健康を歯科医師と守ろう

答えてくれた人

日本歯科医師会 会長 高橋英登さん

日本は60年以上前、「むし歯の洪水状態」と呼ばれ、むし歯のない子どもを探すのが大変な時代でしたが、現在は大きく改善されました。では全く問題がないかと言うと、そんなことはありません! 最近では、歯並びが悪かったり、口呼吸をするため歯肉に炎症を起こしたり、夜中に歯ぎしりやかみしめをするケースが増え、さらにかむことに大切な顎の筋肉や関節に問題を抱えている子どもが増えています。歯並びが悪く、かみ合わせが良くないと、脳の働きの悪化、病気になりやすい、肥満など体全体の健康に影響を及ぼします。だからこそ子どもの頃から定期的に歯科医院でチェックを受け、歯科医師や歯科衛生士の指導に基づいた歯みがきなどを毎日行う。この両方を実践し続けることが大切です。年をとっても豊かに楽しく過ごせるように、そしていつまでも自分の口から食事をとれるように、歯科医師は皆さんの生活を支えるお仕事です。

骨格が成長する子どもの時期は、「かみ合わせ」が特に重要です。

答えてくれた人