ファスナーはどうして簡単に開け閉めできるの?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2021年度
YKK株式会社

洋服やバッグ、お財布などいろいろなものに付いているファスナー。ファスナーはどんなしくみで開け閉めできるんだろう? どんな種類のファスナーがあるのかな? ファスナーメーカーのYKKが教えてくれました。

  • ファスナーをつくる仕事
  • 商品開発の仕事
  • 地球環境を考える仕事

「スライダー」の仕組みに秘密があるよ!

ファスナーは、開閉させるときに動かす「スライダー」、かみ合わせる歯の部分を指す「エレメント」、ファスナーを洋服やバッグなどにぬい付ける部分の「テープ」からできています。スライダーの内部はY字形のトンネルになっていて、ここを通るとエレメントの隙間が押し広げられ、エレメント同士がかみ合ったり離れたりします。

ファスナー部位名称

ファスナー部位名称

1本1本の指を閉じたまま両手をつきあわせても、組み合わせることはできない。でも、指を広げると、隙間ができて左右が組み合う。

YKKはファスナーの材料から製造機械まで開発する「一貫生産」をしているんだって!

ユイ

環境にやさしいファスナーづくりで
持続可能な社会を目指す

YKKは2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指しています。持続可能な社会(サステナビリティ)への貢献をするため、環境問題解決につながるファスナーの商品開発にも取り組んでいるよ。

海の環境と生態系を守る

海洋プラスチック

多くの鳥類やカメ、魚類など海洋生物の生態系に影響をおよぼす海洋プラスチックごみ問題。その海洋プラスチックごみ(プラスチック廃棄物)を主材料としたファスナー「NATULON ® Ocean Sourced ®(ナチュロン オーシャン ソースト)」

植物を使用しCO2排出量の削減

植物由来プラスチック

主材料に植物由来プラスチックを30%使うことで、化石燃料使用量の削減、製造過程でのCO2排出量を減少するファスナー「GreenRise®(グリーンライズ)」

水の使用量を減らす

ECO-DYE

おしゃれを楽しむために欠かせない「色」。ファスナーを染色する過程では、水を大量に使用しますが、「ECO-DYE ®(エコダイ)」は、ほとんど水を使用せず、排水も最小限に抑えます

さまざまなところで活躍するファスナー

ファスナーは技術の進化とともに、使い道もいろいろとひろがっているよ。どんなファスナーがどこで活躍しているのかな?

水や空気も通さないファスナー

宇宙服

宇宙服

宇宙空間で、宇宙服の中の空気が外に出てしまうと大変だ! 宇宙服(与圧服)では、空気を通さないファスナーを使っているよ。

橋

本州と淡路島を結ぶ「明石海峡大橋」の下には、ゴムでできた排水溝があるんだ。排水溝には雨水だけではなく、ゴミもたまる。ゴミをとりのぞくときだけファスナーを開けるよ。道路のごみが直接、海に落ちることを防いでいるんだね。

ソフトタンク

ソフトタンク

牛乳などの液体輸送用タンク。液体を抜いてしまえば、折りたたんで小さくでき、何度でも洗って使える。水を通さないファスナーを使っているから、液体がこぼれる心配はないよ。

水をはじくファスナー

防寒服

防寒服

スキーやスノーボードのウェアには、雪や雨でウェアの中がぬれないように水をはじく加工をしたファスナーが使われているんだ。雪の中で転んでも安心だね。

エマージェンシーユニット

エマージェンシーユニット

災害時などの被災地で使われる避難テントの入り口や窓の部分には、雨などが入らないファスナーが使われている。雨だけではなく、外の寒さも防げるよ。ファスナーでテントどうしをつなげれば大きなテントにもなる。

燃えにくい素材のファスナー

消防服

消防服

火事の現場に駆けつける消防士が着る消防服。ファスナーのテープの部分には燃えたり、熱によって溶けたりしない素材が使われているよ。

ロケット

ロケット

H-ⅡAロケット(日本の人工衛星
打ち上げ用ロケット)の「サーマルカーテン」では、ロケットが噴射する高い熱から大事な装置をファスナーが守っているよ。

海の中でも使えるファスナー

漁網

漁網

取った魚を取り出したり、網どうしをつなげたりするよ。軽くて、長時間海水中で使っていてもさびる心配がないファスナーだ。

オイルフェンス

オイルフェンス

海に流れた油などをせきとめるオイルフェンス。ファスナーでフェンスどうしをつなげれば、広い範囲にフェンスがはれて、環境汚染の拡大防止に役立っているよ。

安全・安心のファスナー

左右に一定の力が加わると、スライダーがはずれるので、瞬時にファスナーを開けることができるんだ。子どもの服が遊具などに引っ掛かったときの負荷軽減につながるよ。
※YKKのロック強度検査に基づく

QuickFree

QuickFree ®(クイックフリー)

安全安心のファスナー

一定の力が加わるとファスナーが左右に「パチッ」と開く

小さな部品に込められた思い

答えてくれた人

YKK株式会社 管理本部 法務・知的財産部
知的財産グループ 寺島朋野さん

ファスナーが発明されたのは、今から約130年前の1891年のこと。アメリカのホイットコム・ジャドソンさんという人が、「くつひもを結ぶ不便さをなくすため」につくったと言われています。
そのファスナーが、今では生活の隅々まで浸透し、宇宙開発の現場でまで、使われるようになっています。
ファスナーの仕組みはとても簡単ですが、世界中の人々にとってなくてはならない大切な部品だという思いを胸に、私たちはファスナーの開発を続けています。

YKKのファスナーを観察すると、いろんなところに「YKK」の印があります。身の回りのファスナーで、探してみてくださいね。

答えてくれた人