
「ボールペン」って何気なく呼んでいるけど、どうして名前にボールが入っているのか知っていますか? 身近にあるのに意外と知らないボールペンのことを、パイロットコーポレーションに教えてもらいました。
- 文房具の仕事
- 商品開発の仕事
- 技術研究の仕事
ボールペンの先端に、ボールがついているからだよ。

ボールペンはその名のとおり、実は先端に小さなボールがついているんです。 このボールはとても小さいけれど、繊細な技術でなめらかに回転するように作られています。上から流れてきたインクは、まずボールにつきます。そしてボールが紙の上でくるくる回転することで、インクを紙に移しているんですよ。
ボールペンは英語でballpoint pen(ボールが先端にあるペン)っていうんだって。

ボールペンの仕組みはどうなっているの?

- ❶ホルダー
- ❷ボールを受ける部分
- ❸ボール
- ❹ボールとホルダーのすきまからインクが出てくるんだよ
- ❺インク
- ❻グリース(インクの逆流や蒸発を防ぐよ)
- ❼ホルダー
- ❽ボール
- ❾ボール+ホルダーの部分をチップというよ
ボールの大きさは?
ボールの大きさは、小さいものだと0.25ミリくらい。大きいものだと1.6ミリくらいだよ。
なめらかに書けるのはどうして?
ボールがガタガタせずになめらかに回転するように、ボールを受ける部分はボールの丸みに合わせて作られているんだ。とても細かい繊細な技術が必要だよ。
インクと構造は両輪
ボールペンは、インクごとにペン先の構造が違うんだよ。インクと構造は両輪の関係で、よりよいボールペンを作るために研究されているんだ。
ボールペンのインクは3種類
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耐水性があってにじまない。書き味はやや重め。宅配便の伝票など、複写向きだよ。
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水性インクに粘り気を出す「ゲル化剤」を加えたインク。にじみが少なく、濃い文字を軽い筆圧で書ける。
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あざやかで濃い文字を、軽い筆圧で書くことができるよ。油性に比べるとにじみやすい。
ボールペンとうまく付き合うための四つの約束
ペンを上に向けて書かない

ペン先を水平より上向きにして書くと、インクが逆流して書けなくなるよ。
ペン先をつぶさない

ペン先が変形するとボールが回転しなくなっちゃう。ペン先を出したまま落とさないようにしてね。
加工紙に注意する

レシートなどコーティング加工された紙に書くと、コーティング剤がすきまに入りこんじゃうことが!
何年も放置しない

インクが蒸発したり、変質したりして書きにくくなるよ。油性なら3年、水性なら2年ぐらいが快適に書ける目安だよ。
最新のボールペンにはどんなものがあるの?
油性なのに細くてなめらか!
アクロボールTシリーズ03

油性インクは硬くて細字にするのが難しいんだけど、0.3ミリという激細のペン先を開発したよ。
なめらかに書ける理由は?
一般的な油性ボールペンとくらべて、粘度(粘り気)が約5分の1の「アクロインキ」を使用しているから、さらさらでボールが回転しやすいんだ。

▲ 左:従来の油性インク 右:アクロインキ
濃く書ける理由は?
粘度が低いからインクがたくさん出て、紙の奥までインクが入り込むんだよ。

▲ 従来のボールペン

▲ アクロボール(0.7ミリ)
海洋プラスチックを活用!
スーパーグリップG オーシャンプラスチック

海をただようプラスチックごみ「海洋プラスチック」は、海を汚染し生物にも悪影響を及ぼすよ。そんな海洋プラスチックを回収して、ボールペンの一部として生まれ変わらせたのが「スーパーグリップG オーシャンプラスチック」。日本の海洋プラスチックを削減し、有効利用しているんだ。

▲ 海洋プラスチックは世界的な問題になっている

▲ 海洋プラスチックを再生樹脂としてリサイクル
書いた文字をこすって消せる「フリクションボール」もあるケモ。

ボールペンには、すごい技術がつまっているんですよ
株式会社パイロットコーポレーション
広報部 雜村芽衣さん
パイロットコーポレーションは1918年に創業して100年以上「書く文化」を支えてきました。筆記具の可能性を追求して、常に新しく、より便利なものを作り続けています。
みんなの身近にあるボールペンにも、とても繊細な技術がたくさんつまっているんですよ。日本のボールペンの品質は、世界からも認められています。パイロットコーポレーションの筆記具は海外でも人気で、世界190以上の国と地域でボールペンを販売しています。
最近は本当にいろんな種類のボールペンがあるので、楽しく使ってみてくださいね。
日本のボールペンは世界一!
