家のまわりや学校までの行き帰りに、地面をよく見るといろんな「ボタン」があることに気づくと思います。これは何のためにあるのでしょうか?日本土地家屋調査士会連合会に聞きました。
- 土地や建物に関する仕事
- 境界を定める仕事
- 法律に関する仕事
地面のボタンは、土地の境界を示す「境界標」や測量の基準になる「基準点」など、大事な目印だよ。
地面のボタンはいろいろある!
地面のボタンは、土地の正しい場所を示したり、地面の下に大切なものがあることを示したりする目印です。ある人の土地と別の人の土地の境目を示す「境界標」や、測量のための基準となる「基準点」、水道管やガス管の目印など、種類はいろいろあります。
金属びょう
▲境界点の目印
▲測量用の目印
▲水道管の目印
▲ガス管の目印
▲国土交通省がつけた目印
▲土地家屋調査士会がつけた目印
境界標に注目してみよう!
「境界標」は土地と土地の境目や、土地と道路の境目などに打つ目印だ。
プレートの矢印「↑」の先や、杭の「+」印の真ん中が境界の位置を示しているよ
金属プレート・金属標
▲法務局がつけた境界標
▲千代田区がつけた境界標
▲国土交通省がつけた基準点
▲土地家屋調査士会がつけた境界標
コンクリート杭
▲境界標
※写真は日本土地家屋調査士会連合会編『調べてみよう!! 地面のボタンのなぞ』(日本加除出版)から
材料別に見ると、赤や青のプラスチックと金属、または金属同士を組み合わせた「金属びょう」や、金属製の「金属プレート・金属標」、コンクリート製の「コンクリート杭」などがあります。家のまわりなどでこうした「地面のボタン」を探してみると面白いですよ。
夏休みの自由研究にするといいポン!
地面の「境界標」を打って守るのは「土地家屋調査士」です!
地面のボタンは誰が打っているのでしょうか。水道管の目印なら水道局の人、ガス管の目印ならガス会社の人です。では「境界標」は誰でしょう? 境界標を地面に打つのは「土地家屋調査士」という国家資格を持った人です。土地家屋調査士は、土地や建物の位置や大きさ(面積)を国の帳簿に載せる手続き(不動産登記)をする専門家です。どこが土地の境界なのかを調べて、その結果を示しておくために境界標を打ちます。そして境界標を打った土地を守ります。
土地や建物に関する登記の専門家なのね。
土地家屋調査士についての動画を見る
もし災害があったとしても境界標で確認できる!
世界の中でも日本は地震が多い国です。地震による火事や津波など災害はいつ起こるかわかりません。災害によって、自分の家の土地がどこまでかわからなくなってしまった時でも、地面の境界標を探せば自分の土地を確認することができます。こうしたことからも、境界標を設置することはたいへん意味のあることなのです。
人工衛星を使って正確な
地図が作れる!
自動車の「カーナビゲーションシステム」は宇宙空間にある人工衛星の信号を受信して、自分の位置を測ります。同じように、人工衛星の信号を使って地上の正確な地図も作れます。この地図はとても正確で、地震などで地面がどれぐらい動いたかもわかります。
▲人工衛星からの信号を受信する電子基準点。
全国に1300カ所設置されているよ
今も未来もずっと安心!大切な土地を守ります!
土地家屋調査士 山田一博さん
◀広報キャラクター
「地識くん」
土地や家はとても大切なものです。そして「境界標」は自分の家の土地を守る大切なしるしになります。境界標がないために、どこまでが自分の家の土地かわからなくなり、お隣さんとトラブルになってしまうこともあります。
そんな時は、わたしたち「土地家屋調査士」に相談してください。土地の境界がどこなのかを調べたり測量したりして、正しい場所に境界標を設置します。境界標は長い年月がたっても壊れず、動くこともない素材で作られています。今も未来もずっと安心して大切な土地を守ることができます。
土地家屋調査士はみんなの土地を守るお手伝いをします。