もずくを食べるとサンゴが増やせるってホント?

おしごと年鑑 食べたり飲んだりに関わるお仕事 2021年度
パルシステム生活協同組合連合会

つるつるのど越しの良いもずく。もずくが育つ海にあるサンゴ礁は自然界にとって貴重な宝のひとつです。サンゴを増やすための取り組みをパルシステムに教えてもらいました。

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もずくを食べることが、生産地を支え、豊かな海を育む活動に役立っているよ。

サンゴ

沖縄県恩納村(おんなそん)でしか採れない「恩納もずく」

「恩納もずく」は、沖縄県恩納村の海で育つ「恩納1号」という新しい品種。太もずくと糸もずくのよさを併せ持つ、他にはないおいしさが人気のもずくです。パルシステムでは「恩納もずく」をはじめ、恩納村産のもずくを使った商品の利用代金の一部をサンゴの植え付けなどの活動に役立てています。

恩納もずく(恩納1号)

恩納もずく

「恩納もずく」
を比べてみると…

比べてみると

一般的な「太もずく」「糸もずく」と比べると、シャキシャキした歯ごたえで、ぬめりが多くなめらか!

種類によって
食感が変わります

食感が変わります
サンゴ

生き物の住みかとなるサンゴが危ない!

サンゴは植物だと思っている人はいませんか? じっと動きませんが、動物です。サンゴが集まってできるサンゴ礁は、魚や貝などさまざまな生き物の住みかとなります。生き物が増えることで、豊かな海が育まれます。
もずくの生育には、サンゴが元気に育つ豊かな海が欠かせません。1998年、2001年には、沖縄を代表するサンゴ礁を持つ恩納村でも、サンゴがオニヒトデに食べられたり、海水温が高くなり、栄養素不足から白化するなどの被害が起こりました。多くのサンゴが死滅し、親サンゴがいなくなってしまったのです。

サンゴが危ない

サンゴのために立ち上がった人たちがいるんだ!

ヒナタ
サンゴ

海を守る「サンゴの森づくり」プロジェクトが始まる!

恩納村漁協では、1998年からサンゴを増やす活動を始めました。2009年には、パルシステム、もずく加工メーカー、恩納村も加わり、「恩納村美ら海(ちゅらうみ)産直協議会」を設立。商品の利用代金の一部をサンゴの植え付けに役立てる仕組みを作りました。食べる人、作る人、みんなで海を育む取り組みを行っています。

海
  1. ①サンゴの苗を作る

    サンゴの苗
  2. ②人の手で植え付ける

    植え付ける

    これが恩納村独自の「ひび建て」方式。海底に鉄筋とパイプを立てて、サンゴの苗をセットしていきます。高い位置でサンゴを育てられ、水温変化の影響を受けにくいなどのメリットがあります。

  3. ③植え付けたサンゴ

    植え付けたサンゴ
  4. 2013年 初めての産卵!

    産卵

幻想的な光景にみんな感激。
毎年産卵しているケモ!

ケモノン
海を育む共同の輪
海

子どもたちもサンゴの植え付けに参加しているよ!

パルシステムを利用する組合員を対象に、「産地交流ツアー」を毎年開催しています。生産者から直接海の環境を守る大切さを教えてもらったり、サンゴの苗づくりなどを体験します。2021年はオンラインで開催しました。おいしいもずくを食べて、沖縄の「美ら海」を取り戻せる活動に、あなたも参加してみませんか?

子どもたち

※2021年3月末現在で1万2300株を植え付けました。

作る人と食べる人をつなぐ仕事をしています!

答えてくれた人

パルシステム生活協同組合連合会
商品開発本部 水産課 南 翔児さん

パルシステムは首都圏を中心とした1都12県で食品を中心とした商品を組合員にお届けしている生活協同組合です。
私は商品開発やカタログの構成を考え、多くの組合員に利用してもらえるように日々仕事をしています。他には産直産地に出向き生産者の方々と交流を深めたり、組合員が安心して食べられるように製造工場の点検なども行っています。また、組合員や職員向けに商品の学習会を行うなど、より商品を好きになってもらう活動もしています。
生産者や製造工場の皆さんと一丸となって作った商品を組合員から「おいしい!」と言ってもらえた時や、その「声」を生産者や製造工場へ届け、喜んでもらえた時にやりがいを感じます。

日本の環境を守りながら、おいしい商品をお届けします。

答えてくれた人