家庭で出るさまざまなごみ。リサイクルに出したものは素材になって生まれ変わるけれど、その他のごみはどうなっているんでしょう? ごみの清掃工場をつくる会社に教えてもらいました。
- ものづくりの仕事
- 環境を守る仕事
- 人々の生活に役立つ仕事
電気や温水をつくるエネルギーになったり、建築現場で使われるセメントの材料になったりするよ。
家庭から出たごみがどんな風に変身するか、その過程を見てみましょう。
燃やせるごみってどんなごみ?
ごみの分け方はみんなが住んでいる自治体によってさまざまです。ごみの清掃工場をつくる会社では、自治体のごみの種類や量に合わせて最適な焼却施設をつくっています。
▲神奈川県海老名市の場合
みんなの自治体では何を「燃やせるごみ」にしているか、調べてみるケモ。
ごみを燃やしたときに発生する有害物質を防げ!
ものを燃やすと、生き物や環境に有害なダイオキシンや一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの物質が出ることがあります。こうした物質を出さないため、最新の焼却炉にはさまざまな工夫があります。
三菱式ストーカ炉
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1炉内の温度は850度以上
炉内の温度は常に850度以上に保たれています。これによってダイオキシンの発生を防ぎます。
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2常に新鮮な空気を送り込む
ものが完全に燃えないと、COなどが発生します。最適な量の空気を送り込むことで、効率的にごみを燃やします。
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燃やしたあとのガスはきれいにして外に
ガス状になった小さな有害物質も逃さず分解して無害なガスに変えるフィルタを設置。空気を汚しません。
最新の技術を使って有害な物質を出さないよ。
「ごみ」は捨てるものではなく「生かせるお宝」なんです
三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 土生奈菜恵さん
かつて、ごみの多くは埋め立て処理され、あちこちに人工の島がつくられました。でも埋め立てに使える場所は限られており、このまま増えるごみをすべて埋め立て続けるわけにはいきません。私たちは、燃やせるごみをより効率的に燃やして体積を小さくすると共に、焼却時に発生する熱を生かして電気や温水をつくるなど、ごみをエネルギーとして生かすごみの清掃工場をつくっています。もちろん、ごみを燃やすことで有害な物質が出ないよう、最新の技術を使って環境を守る努力もしています。
ごみは捨てるものというイメージですが、エネルギーを生み出す「お宝」に変えることができます。皆さんも家庭でごみを捨てるとき、それがどんな風に世の中に生かせるか、考えてみてくださいね。
ごみ処理プラントを改良する仕事をする人もいるよ。
動画を見てね!
https://youtu.be/dmxbH04ruKk
▲長崎にあるごみ焼却発電施設