発泡スチロールは、私たちの身の回りのいろいろなところでよく使われている素材です。ふだん目にしないようなところでも、幅広い用途で活用されているそうです。それはなぜか、どんな秘密があるのか、発泡スチロール協会に聞いてみました。
- 発泡スチロールを作る仕事
- 研究開発の仕事
- 化学に関する仕事
ほんと。約98%が空気で原料はわずか2%なんだ。
発泡スチロールの原料は石油から作られるポリスチレンの粒(ビーズ)です。ビーズは直径1mm程度の大きさで、中に発泡剤が含まれていて、蒸気で加熱すると約50倍に膨らみます。ですから製品全体の体積は98%が空気でできています。ほとんどが空気でできているので、断熱性が高く保温・保冷効果が高い、軽量で持ち運びやすいなど、たくさんの利点があります。日常のいろいろなところで活躍していて、発泡スチロールなしでは生活できないほど重要な素材です。
発泡スチロールはこうしてできる!
発泡スチロールには3つの種類!
-
EPSビーズ法ポリスチレンフォーム
原料のビーズを発泡させて成形。発泡スチロール協会はEPSに関する団体です。
-
PSP発泡スチレンシート
発泡スチロールトレーと呼ばれ、シート状に発泡させたもので食品容器として使われます。
-
XPS押出発泡ポリスチレン
原料を押出発泡して成形したもので、建築工事で断熱材としての使用が多い製品です。
いろいろなところで使われているよ
魚や野菜などの輸送容器
土木工事
電化製品などの梱包材
建物の断熱材
ビーズクッション
自動車の部品(床下材)
南極の昭和基地でも断熱材として活躍!
発泡スチロールは1957年に建てられた昭和基地の断熱材に使われ、−50℃の南極で隊員たちを守りました。
発泡スチロールのここがすごい! 7つの特徴
ほとんどが空気でできている発泡スチロールには、優れた特性があります。さまざまな場面で利用される理由となる代表的な特性について紹介します。
1鮮度を保ちやすい
「断熱性」
空気の層で守られ外気の影響を受けにくい断熱性で、保温・保冷効果が高い。
2衝撃に強い
「緩衝性」
独立した気泡の集まりなので衝撃吸収性が高く、中身を守る緩衝材としても活躍。
3持ち運びしやすい
「軽量性」
製品のほとんどが空気で軽量なので、輸送時の負担を減らせてエコにもつながる。
4原料わずか2%の
「省資源性」
石油をもとにした原料が2%分しか使われないので、資源への負担も少ない。
5形状を保持しやすい
「耐久性」
直射日光にさらされなければ半永久的に形状を保持できて、しかも丈夫。
6再生しやすい
「リサイクル性」
単一素材であり、熱を加えるだけで再生原料に生まれ変わるのでリサイクルに向く。
7簡単に加工できる
「加工性」
刃物や電熱線を利用すると、簡単に加工できる点でも多用途に使いやすい。
発泡スチロールはどうやってリサイクルするの?
使用済みの発泡スチロールは、いろいろな方法で有効利用されています。1つは、リサイクルしてもう一度発泡スチロールにしたり、プラスチック製品にしたりする「マテリアルリサイクル」。プラスチック全体のマテリアルリサイクル率は約22%ですが、発泡スチロールは50%以上です。もう1つは、石油由来の発泡スチロールを燃料にして、熱をエネルギーに使う「エネルギーリカバリー」。発泡スチロールは両方合わせると92%以上有効利用しています。
マテリアルリサイクル
加熱してプラスチック製品の原料にします。
- ・発泡スチロールに再利用
- ・ハンガーなどの日用品
- ・定規などの文具 など
エネルギーリカバリー
燃やすことで熱エネルギーとして使います。
- ・熱エネルギーとして発電に利用
- ・発泡スチロール成形の熱源 など
STACKING BOX(スタッキングボックス)にチャレンジしよう
さまざまな場面で活躍する発泡スチロール。製造現場では、倉庫管理の人が魚箱を毎日20段以上積み上げ、整列して保管します。写真は積み上げを体験する中学生。みなさんも「匠の技」に挑戦してみませんか。
発泡スチロールを楽しく学ぼう
発泡スチロール協会 広報部 佐藤喜一さん
みなさんに発泡スチロールのことをよく知ってもらうために、東京・秋葉原のオフィスで、勉強会を開いています。申し込みは発泡スチロール協会のホームページから。来られない場合は、サンプルや解説書などが入った「発泡スチロールセット」をプレゼントします。ぜひ申し込んでね!
▼お申し込みはこちらから
発泡スチロールでこんなのも作れるよ!