発泡スチロールは98%が空気ってほんと?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2021年度
発泡スチロール協会

発泡スチロールは、私たちの身の回りのいろいろなところでよく使われている素材です。ふだん目にしないようなところでも、幅広い用途で活用されているそうです。それはなぜか、どんな秘密があるのか、発泡スチロール協会に聞いてみました。

  • 発泡スチロールを作る仕事
  • 研究開発の仕事
  • 化学に関する仕事

ほんと。約98%が空気で原料はわずか2%なんだ。

発泡スチロールの原料は石油から作られるポリスチレンの粒(ビーズ)です。ビーズは直径1mm程度の大きさで、中に発泡剤が含まれていて、蒸気で加熱すると約50倍に膨らみます。ですから製品全体の体積は98%が空気でできています。ほとんどが空気でできているので、断熱性が高く保温・保冷効果が高い、軽量で持ち運びやすいなど、たくさんの利点があります。日常のいろいろなところで活躍していて、発泡スチロールなしでは生活できないほど重要な素材です。

発泡スチロールはこうしてできる!

発泡スチロールはこうしてできる

発泡スチロールには3つの種類!

  • EPSビーズ法ポリスチレンフォーム

    原料のビーズを発泡させて成形。発泡スチロール協会はEPSに関する団体です。

  • PSP発泡スチレンシート

    発泡スチロールトレーと呼ばれ、シート状に発泡させたもので食品容器として使われます。

  • XPS押出発泡ポリスチレン

    原料を押出発泡して成形したもので、建築工事で断熱材としての使用が多い製品です。

いろいろなところで使われているよ

輸送容器

魚や野菜などの輸送容器

土木工事

土木工事

梱包材

電化製品などの梱包材

断熱材

建物の断熱材

ビーズクッション

ビーズクッション

自動車の部品

自動車の部品(床下材)

南極の昭和基地でも断熱材として活躍!

発泡スチロールは1957年に建てられた昭和基地の断熱材に使われ、−50℃の南極で隊員たちを守りました。

南極の昭和基地

発泡スチロールのここがすごい! 7つの特徴

ほとんどが空気でできている発泡スチロールには、優れた特性があります。さまざまな場面で利用される理由となる代表的な特性について紹介します。

1鮮度を保ちやすい
「断熱性」

空気の層で守られ外気の影響を受けにくい断熱性で、保温・保冷効果が高い。

断熱性

2衝撃に強い
「緩衝性」

独立した気泡の集まりなので衝撃吸収性が高く、中身を守る緩衝材としても活躍。

緩衝性

3持ち運びしやすい
「軽量性」

製品のほとんどが空気で軽量なので、輸送時の負担を減らせてエコにもつながる。

軽量性

4原料わずか2%の
「省資源性」

石油をもとにした原料が2%分しか使われないので、資源への負担も少ない。

省資源性

5形状を保持しやすい
「耐久性」

直射日光にさらされなければ半永久的に形状を保持できて、しかも丈夫。

耐久性

6再生しやすい
「リサイクル性」

単一素材であり、熱を加えるだけで再生原料に生まれ変わるのでリサイクルに向く。

リサイクル性

7簡単に加工できる
「加工性」

刃物や電熱線を利用すると、簡単に加工できる点でも多用途に使いやすい。

加工性

発泡スチロールはどうやってリサイクルするの?

使用済みの発泡スチロールは、いろいろな方法で有効利用されています。リサイクルして、もう一度発泡スチロールにしたり、ハンガーなどほかのプラスチック製品に生まれ変わらせたりすることをマテリアルリサイクルといいます。プラスチック全体のリサイクル率は約22%ですが、発泡スチロールは50%以上です。
もうひとつは石油由来の発泡スチロールを燃料として使い、熱をエネルギーに使うリサイクルをエネルギーリカバリーといいます。熱で蒸気を作って、発電や暖房などに使うこともあります。発泡スチロールはその両方を合わせると約90%有効利用しています。

マテリアルリサイクル

加熱してプラスチック製品の原料にします。

  • ・発泡スチロールに再利用
  • ・ハンガーなどの日用品
  • ・定規などの文具 など
マテリアルリサイクル

エネルギーリカバリー

燃やすことで熱エネルギーとして使います。

  • ・熱エネルギーとして発電に利用
  • ・発泡スチロール成形の熱源 など
エネルギーリカバリー

発泡スチロールのことは動画でも見られるよ!
https://www.youtube.com/watch?v=nNRf5oww2vk

ユイ

発泡スチロールはプラスチックの優等生です

答えてくれた人

発泡スチロール協会 広報部 佐藤喜一さん

発泡スチロールは、いろんなことに役立つ地球にやさしいプラスチックです。もとの材料の5倍から100倍くらいまで膨らますことができて、空気が多いのが特徴で、さまざまな分野で活躍しています。たとえば魚や野菜・くだものを新鮮に運ぶ容器、PCR検査やワクチンの輸送容器、家で快適に過ごすための断熱材やクッションなどです。これらを使い終わった後は、なんと約90%もリサイクル製品や熱源として有効に使われているプラスチックの優等生です。発泡スチロール協会では、夏に全国の水族館や動物園にいるシロクマくんたちに白い箱に入った新鮮なお魚をプレゼントしています。おいしそうに食べるのを見るのが楽しみです。ぜひ足を運んでみてね。

こんなに大きな恐竜も持ち上げられるよ。

答えてくれた人