ロウソクの原料に使われているロウは、実はわたしたちの生活のいろいろなところで使われているそうです。天然のロウでさまざまな製品を作っている、セラリカNODAにロウについて聞いてみました。
本当。天然由来のロウは化粧品や食べ物にも使われるよ。
ロウソクには石油からできるものと天然物からできるものがあるよ
石油からできるものと天然物からできるものは炎の大きさが違うね。
身近にあるロウソクの原料は何からできている?
石油からできる
バースデーケーキの上にさす「洋ロウソク」
天然物からできる
テレビの時代劇に出てくる日本の伝統品「和ロウソク」
天然ロウにはどんな機能があるの?
- ・燃やす
- ・水をはじく
- ・滑りをよくする
- ・くっつきにくくする
- ・ツヤをだす
- ・溶けやすく固まりやすい
などの機能を持っています
天然のロウはこんなにいろいろなものに使われているよ
天然ロウの溶けやすく固まりやすい性質から、コピー機のトナーやCD等の情報記録材としてハイテク分野で使われています。また、天然ロウはなめても安全なことから高級な化粧品や、子供向けの安全なクレヨン、薬や食べ物にも幅広く利用されています。天然ロウと植物油だけで作った家庭用のワックスを使うとシックハウス症候群が抑えられ、赤ちゃんやペットと安心して暮らせる家づくりができるなど、わたしたちの身近なところで意外にもたくさん使われています。
車のワックス
床のワックス
クレヨン
薬のカプセルや錠剤
CD
コピー機のトナー
整髪料
口紅
せんべいを焼くとき
グミ
ガム
いろいろな動植物が生み出す天然のロウ
りんごの表面に白い粉がついているのを見たことはありますか?
これはりんご自身がロウを分泌し、表面にコーティングしたもので水分の蒸発を防ぐ役目をしています。このロウのおかげで新鮮でおいしいリンゴを私たちはいつも食べることができます。そのほかにも米ぬかやミツバチの巣など、さまざまな動植物から天然ロウは作られます。天然ロウの代表的な原材料を紹介します。
木ロウ
▲西日本地方に分布するハゼの木の実からとれます
米ぬかロウ
▲日本人の主食でもあるお米のぬかからとれるロウです
カルナウバロウ
▲ブラジルに分布するヤシの葉からとれるロウです
キャンデリラロウ
▲メキシコの灼熱の砂漠で生息する植物のロウです
ミツロウ
▲働きバチが分泌したロウで、ミツバチの巣からとれます
雪ロウ
▲カイガラムシが木に雪のように分泌する白色のロウです
生物は身を守るためにロウを使っている
水鳥は、鳥の体内で作るロウをくちばしで羽にぬり水をはじいて、体温が低くならないようにしています。また葉の表面にロウを出し乾燥を防ぐ植物や、自分で出したロウで体を覆い、外敵から身を守る虫がいます。このように、生物は自分の身を守るためにロウを生み出します。
ミツロウは約6000年前から人々の生活に役立ってきました。古代エジプトでは、ミイラの保存や文字を彫って記録するロウ盤などにも使われました。キリスト教会のロウソクは、ミツロウで作られていたこともわかっており、古くから人々の生活を豊かにしてきました。
人類は約6000年もロウを使ってきたんだケモ。
すべての人と社会が豊かになる仕事をする
株式会社セラリカNODA 社長 野田泰三さん
今から35年前、世界中の発展途上国の人々が日本にたくさん天然ロウを輸入してほしいと要望しました。天然ロウは自然から生物が身を守るために作られるので、それぞれの国の気候が厳しい貧困地域で作られていました。天然ロウを発展させるとその地域の人々が緑を拡大しながら豊かになります。そこで100カ国以上で作られているミツロウで、世界No.1ミツロウコンテストを開き、内戦や伝染病に苦しんできた国、シエラレオネも特別賞を受賞することができました。
ノーベル賞の吉野彰先生はロウソクを観察して化学に興味を持ったよ。