わたしたちの身のまわりにあるものは、どのような物でできていて、何が含まれているのでしょう。それを調べることを化学分析と言います。化学分析によって、どんなことがわかるかを産業分析センターに聞きました。
化学の力で私たちの身のまわりのものにどのような物質が使われているかわかるよ。
わたしたちのまわりにあるものの多くは、いろいろな物質が混ざり合ってできています。自然にある水や空気などでも、工場で作った製品でも、特殊な機械や装置などを使って調べることで、何がどう混ざり合ってできているかがわかります。これらの分析をすることで、人の体に害のあるものや、まわりの環境に悪い影響を与えるものを避けることができます。また、製品の品質を高めるヒントを得ることもできるのです。
分析が、暮らしの安全につながるんだね。
化学分析はこんなところで活躍しているよ
なんでも口に入れてしまう赤ちゃんのおもちゃに有害物質が含まれていないか調べます。
半導体製品など高度な製造技術を必要とする製品の品質を向上させるのに役立ちます。
食品や調味料などに含まれている添加物など、健康のために分析をすることもあります。
空気中に含まれる有害な物質はぜんそくなどの病気を引き起こすこともあります。
飲料水にも使われる河川の水に、基準以上の有害物質が含まれていないかを調べます。
土壌に汚染物質や有害な物質が含まれていると、畑の作物にも影響がでてしまいます。
化学分析の手順を見てみよう!
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1. 採取
検査対象から
分析用のサンプルを採取します。 -
2. 準備
サンプルを分解や成分抽出して、
測定できる状態にします。 -
3. 測定
測定機器や試薬などを使って
データを取得します。 -
4. 分析
取得したデータを解析し、
成分の構造や濃度を調べます。
環境を守るための決まりがたくさんできています
生活の中で使っている製品が廃棄されたときに、自然環境に悪影響を与えてしまうこともあります。そういったことがないように、日本でも世界でも、環境を守るための決まりがたくさんできました。例えば、EU(欧州連合)では化学物質規制のRoHS(ローズ)指令やREACH(リーチ)規則という決まりがあり、違反をすると厳しい罰則があります。現在では、環境のことを考えて物作りをしないと、世界で製品を売れない時代になっています。
なんと
0.0000000001%の
濃度を測定することもあるよ!
超微量の物質を検知するケモ。
分析を通して社会貢献をします
株式会社産業分析センター 吉田貴則さん、髙橋和志さん
わたしたちの身のまわりの環境や安全を守るには分析が必要です。分析をすることで、見た目ではわからない、さまざまなことを知ることができます。その情報が社会の役に立っていると実感できるので、やりがいのある仕事です。それだけに責任が大きく、データへの信頼性が求められます。この仕事は、理科が好きで、責任感があり、決められたことをきちんとできる人が向いていると思います。また、分析技術は日々進歩するので、新しいことを学び続けることも大切です。
大変だけどやりがいのある仕事です。