国は毎年、全国の土地の適正な価格がいくらなのかを発表しています。土地の価格は誰がどんなふうに決めているのか、日本不動産鑑定士協会連合会に教えてもらいました。
- 不動産の仕事
- 土地の評価をする仕事
- 資格のいる仕事
国の発表によると、日本一価格が高い場所は東京の銀座4丁目です。
価格を発表するのはどうして?
どうして国が土地の価格を発表するようになったかというと、価格の目安がないと、下の漫画のように困ったことがたくさんあったからなんです。国が毎年発表する土地の価格のことを「地価公示価格」といいます。
日本で一番土地の価格が高い場所は銀座4丁目。これは地価公示価格の発表を始めた50年前からずっと変わらないんだって。
では、土地の適正な価格は、誰がどうやって決めているんでしょう? それは、不動産鑑定士という資格を持つ人たちです。
(2024年)
【 住宅地1位 】
東京都港区赤坂1丁目
(1㎡あたり535万円)
【 商業地1位 】
東京都中央区銀座4丁目
(1㎡あたり5570万円)
銀座4丁目の交差点
不動産鑑定士
不動産鑑定士という国家資格を持つ人は、さまざまな知識を駆使して土地の適正な価格評価をしています。土地や建物の鑑定のほかに、活用方法のアドバイスなどもしています。
不動産鑑定士になるには、まず国家試験に合格し、実務を学び、最後の試験に合格しなくてはいけません。全国で9千人ほどが不動産鑑定士の資格を取得しています。
不動産鑑定士は、どんな仕事をしているの?
自分が住んでいる家がどのくらいの価格かわかりますか? 不動産のチラシを眺めると、同じような家がいくらで売りに出されているか見ることができるので、「私の家の価格もこれくらいなのかな?」と見当がつけられるかもしれません。
でも、お父さんやお母さんが勤めている会社やお店、ショッピングセンターや遊園地などはどうですか? 1億円? 10億円? もしかしたら、100億円? なかなか想像できませんよね。不動産鑑定士は、いろいろな不動産の価値を判断して、価格で示すという仕事をしています。
不動産ってどんなもの?
土地や建物など、動かせない財産のことを「不動産」といいます。不動産鑑定士は、住宅や土地だけではなく、高層ビルやホテル、デパートなどから、山や畑まで、いろんな不動産を評価します。
遊園地やスキー場の価格や、マンションなどの家賃も鑑定するよ。
不動産の価格って変わるの?
下のグラフは、銀座の地価公示価格の推移です。物価や経済状況によって、土地の価格は上下するんですね。
土地の状況や景気などで、価格は大きく変わるあぷ〜。
不動産の価格は、どうやって評価しているの?
まわりの不動産が、どのくらいの価格で取り引きされているか調べる。
その不動産で、どのくらいお金をもうけることができるかを調べる。
どのくらいのお金でその不動産を作ることができるかを調べる。
いろんなところで活躍できる楽しいお仕事です
公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会
広報委員 南川しのぶさん
不動産鑑定士の世界は個性的な人だらけで、皆さんがその個性をどんどん磨いて活躍しています!
植物が好き、ドローンやラジコンが好き、学校が好き、算数やAIが好き、旅好き、電車好き、サッカー好き……実は皆さん誰もが不動産鑑定士に向いています。電車好きな人はそれを動かす人や会社にも自然と興味がわくでしょうし、サッカー好きな人はスタジアムを調べるときに、芝生の状態がひと目で分かるようになるでしょう。旅好きな人は全国の温泉の特徴や、どんな人が来ているか、何泊くらいしているのかに興味がわくと思います。この仕事は、そのように「その地域・その場所・そこで仕事をする人・そのお客さん」全てに想像力を働かせる仕事で、私はこの仕事が大好きです!
みんなも不動産鑑定士をめざしてね!