「ごはんはよくかんで食べなさい」って言われたことがある人、多いんじゃないかな? どうしてかまないとダメなんだろう。日本歯科医師会に教えてもらったよ。
- 歯医者さんの仕事
- 歯と口の健康を守る仕事
- 医療に関する仕事
よくかんでものを食べることが全身の健康につながるんだ。
かむことで脳の満腹中枢が刺激され、程よいところで「お腹いっぱい」になります。かまずに食べると、必要以上に食べ過ぎてしまい、肥満の原因になります。
重いものを持ち上げたりするとき、グッと歯を食いしばった経験はありませんか? ある研究によると、歯を食いしばることで、筋力が瞬間的にアップする場合があるそうです。歯の丈夫さやかみ合わせは体全体の能力向上のためにも重要で、スポーツの結果にも影響するといえそうです。
歯医者さんは、歯と口の健康を守る強〜い味方
よくかむことは、全身の健康に関わることが、わかってもらえましたか? 「かむ」ことができるのも、健康な歯と口があればこそ。だから、歯医者さんは、歯をはじめとした口の中の健康を守るために働いているのです。どんなことをしているか、見てみましょう。
歯や歯ぐきの治療をする
むし歯や歯ぐきの病気などを治して、健康な状態を保つようにします。むし歯になった部分は、けずって別の材料をつめたりします。
1秒間に30〜50万回転もするドリル。
いろんな道具を使って治療をするよ。
かむ機能を回復する
歯が抜けたりして、ものがかめなくなった人のために、取り外し可能な入れ歯を作ったり、人工の歯を作って取り付けたりします。ものをのみ込む訓練のお手伝いをすることもあります。
むし歯や歯ぐきの病気の予防
むし歯や歯ぐきの病気などにならないように、歯磨きの指導や予防のための処置をしています。
学校でみんなの口が健康かチェックをする、歯科健診もしているよ。
歯並びを治す矯正をしたり、あごの病気を治療したりすることもあるケモ。
警察に協力! 警察歯科医という仕事もあるよ。
警察歯科医は、警察から依頼を受けて、身元不明の遺体の歯や口の中の状態と、生前に歯の治療を受けた際のカルテ記録やレントゲン写真などを照らし合わせて、亡くなった方の身元の確認や死因の特定などに貢献しています。
歯は人の体で最も硬く、高温にも耐えられます。また、乳歯で20本、永久歯は親知らずを含め32本ありますが、これら全てがそっくりという人は少なく、また歯の治療データはそれぞれの歯科医院に保管されているため、身元の確認がしやすいのです。
▲警察と歯科医師会による「合同訓練」の様子
「しっかりかめる」で「元気なからだ」
日本歯科医師会 会長 堀 憲郎さん
歯がなくなって、ものがかめなくなったらどうなるか、考えたことはありますか?
まだ若い皆さんには、ピンとこないかもしれません。でも、歯がなくなってものがかめなくなると、食べたいものも食べられず、栄養がかたよって病気になりやすくなります。話もしにくくなり、認知症にもなりやすいと言われています。逆に、寝たきりになったお年寄りが、入れ歯を作ってかめるようになったら、みるみる元気になって、歩き回れるようになった例もあります。
このように「かむ」ことは、お口の健康だけでなく、からだ全体の健康に関わる大切な機能です。歯医者さんたちは、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020(ハチマルニイマル)運動」を進めています。いつまでも自分の歯でよくかんで、おいしくものが食べられるよう、若いうちからお口の健康づくりに取り組みましょう。歯医者さんは、いつも笑顔で健康な人がいっぱいいる「健康長寿社会」を作ります。
日ごろから、しっかりよくかんでものを食べる習慣をつけましょう。