パルシステムでは、生産者とともに農薬や化学肥料をできるだけ使わない米作りに取り組んでいます。その方法と取り組んでいる理由を教えてもらいました。
農薬や化学肥料をできるだけ使わないで作ると自然環境や生きものを守り、安全・安心なお米ができるんだよ!
パルシステムでは、できるだけ農薬や化学肥料を使わないお米を届けています。中でも、「コア・フード米」は最も厳しい基準を設けて作られている安全・安心なお米です。
地球にやさしく、人にもやさしいお米なんだよ!
環境にやさしいお米「コア・フード米」ができるまで
1種子の消毒(3月)
病気を防ぐため、薬品で消毒することが多いのですが、コア・フード米では約60℃のお湯に種子を浸す温湯消毒をしています。
2田植え(5月ごろ)
種子から育てた苗を、水を張った田んぼに植えます。コア・フード米では田植え後も、農薬や化学肥料を使いません。
3田んぼの草取り
夏の田んぼには、雑草が次々生えてきます。コア・フード米の田んぼでは農薬に頼らず、手作業や機械(除草機)を使った草取りをします。
4公開確認会
パルシステムでは、お米を食べる人たちに産地の栽培方法や生育状況を実際に見てもらう公開確認会を行っています。
5収穫(9月ごろ)
稲穂が黄色く実ったら収穫のときです。田んぼから水を抜いて、機械で刈り取ります。この後、乾燥させて玄米の状態で保管します。
6秋から冬の間に土作り
たい肥(家畜の糞やもみ殻を発酵させて作る)を、田んぼにまいて土に栄養を与えます。土の中に微生物やイトミミズが増えて、健康で栄養分の多い土になります。
農薬や化学肥料を使わないと、どんないいことがあるの?
農薬、化学肥料をできるだけ使わない、その主な理由は四つあります。①お米を作る人の健康を守る②田んぼやその周辺にすむ生きものを守る③消費者に安全なお米を提供する④土の力を保ち持続可能な農業を続ける。
お米の生産性を高めるために、大量の農薬や化学肥料を使った時代がありました。その結果、田んぼやその周辺から、ホタルやメダカなど貴重な生きものが消えてしまいました。そこで、パルシステムでは独自の厳しい基準を設けて、生産者と一緒に環境にやさしく安全・安心な米作りに取り組んでいるのです。
▲コウノトリはかつて日本にたくさんいました。ところが、乱獲や農薬の大量使用などによって1971年に絶滅。兵庫県豊岡市では、農薬を削減した米作りに取り組み、今ではコウノトリが田んぼでエサを食べる姿が見られます
絵の中には、田んぼにいるいろいろな生きものが描いてあるよ!いくつ名前がわかるかな? ページの最後に答えがあるよ!
お米を食べる人と作る人がつながっているんだよ!
パルシステムには、産直協定を結んだ産地のお米を、1年を通して4週に1度組合員に届ける「予約登録米」というしくみがあります。このしくみを組合員が利用すると、天候不順や自然災害があっても、優先的にお米を買うことができます。一方、生産者は組合員が田植えの前に「1年間買います」と約束をしてくれることで、「自分のお米を待っている人がいる」というやりがいや安心した気持ちで、手間ひまをかけた米作りに励むことができます。また、コア・フード米を利用することは、貴重な自然を子どもたちの世代に引き継ぐことにもつながります。
▲「コア・フード米」の産地では、組合員と生産者が一緒になって、あぜや水路、田んぼで「田んぼの生きもの調査」を行っています
お米を作る人と食べる人の間を取り持つ仕事をしています
株式会社ジーピーエス(※)
第二事業部米穀課 平野里美さん
私は、パルシステムと産地をつなぐために重要な役割を担うジーピーエスという会社で、お米の企画・販売を担当しています。ときにはお米の産地に出かけ、契約数量や価格の話し合いをしたり、お米の生育状況を確認したり、それぞれの産地独自の取り組みを伺ったりしています。「田んぼの生きもの調査」に参加して、たくさんの生きものや珍しい生きものを発見したときには、楽しさや感動を感じると同時に地域の環境が守られていることを実感しました。生産者のこうした努力を多くの人に紹介し、環境にやさしいお米をもっと利用してもらえるようにカタログなどで伝えることも、私の仕事です。組合員の方から共感の言葉をいただいたり、環境にやさしいお米を利用する方が増えたりしたときに、「この仕事をしてきてよかった!」と思います。
※米と青果を専門に扱うパルシステムのグループ会社
環境にやさしいお米を増やし、日本の環境を守っていきたいですね!
問題の答え
①ベニシジミ ②オニヤンマ ③アメンボ ④メダカ ⑤ドジョウ ⑥イトミミズ ⑦ザリガニ ⑧オケラ ⑨ミミズ ⑩アマガエル ⑪ホタル ⑫オオバコ ⑬イナゴ ⑭シロツメクサ