子どもだって、おもしろい新商品のアイデアを思いつくことはありますよね? でも、それだけでは「発明家」としてお金をかせぐのは難しいかも? どうしたらいいのか、日本弁理士会に教えてもらいました。
発明をした人は誰でも特許を取れる資格があるよ。取得した特許は法律で保護されるよ。
小学生が特許を取得!
2019年11月15日、小学校6年生(当時)の守田貫一郎さんが考案した「洗濯バサミ収納具」の特許権が登録されました。小学生で特許が取得できるのは珍しく、大変な快挙です。
守田君の発明は、棒の上部に装着した洗濯バサミが棒に沿って落下する中で、自然に正面を向く機構を備えています。ここに特許が認められる新規性及び進歩性があります。棒の下部には複数の洗濯バサミがそろって積み上がるので、取り出しが便利に。自宅で洗濯物の取り込みを手伝っていて思いついたという、おもしろいアイデアです。(守田君の特許を出願した弁理士の福村直樹さん)
すごーい!!
私も挑戦してみようかな。
特許ってどんなもの?
特許は新しいアイデアについて与えられ、考えた人の権利を保護するものです。特許が認められると出願日から20年間はその特許が勝手に使われないように保護されます。特許でアイデアを出した人の権利を保護することで、発明する人がやる気を出し、産業そのものが元気になっていくと考えられています。
「特許」などを取った身近な製品
Xスタンパー
実用新案第1120473号
シヤチハタ株式会社
社名の「シヤチハタ」で呼ばれる朱肉のいらないハンコ。巧妙な仕掛けで、使わない時はインクが周囲につかないようになっているのも便利。
マジックしゃもじ
特許第3634720号
株式会社曙産業
しゃもじのでこぼこの表面に、さらに小さなでこぼこを設け、ご飯としゃもじの接触面積を小さくして、ご飯がくっつかないようにした。
クネット
特許第3660292号
株式会社クネットなど
握力の弱いお年寄りもつかまって階段の上り下りをしやすくする、ユニバーサルデザインの手すりだよ。
…ということになると、ユイの努力がむくわれないよ。
だから「特許」で保護することが必要なんだ。
日本弁理士会のキャラクター はっぴょん
▲ある技術に対して「特許」を取ると、他人はその技術を使った製品を、勝手に使ったり売ったりすることができなくなります
分け前を払うから、
ユイのロボットを売らせてよ。
いいよ。
特許を取っておいてよかった!
弁理士は、さまざまな専門知識を持って仕事をしています
弁理士 大谷賢佑さん
特許は、発明品そのものではなく、発明の「考え方」に与えられるものです。だから、発明品を特許庁(特許を認めるための国の役所)に持ち込んでも、特許が取れるわけではありません。私たち弁理士は、その発明品の本質的な部分を考え、文章と図でどんな風に新しいのかを説明して、特許庁に出願します。 また、特許について詳しく調べ、既にある技術の特許権を侵害しないで、ものをつくるにはどうしたらいいかをアドバイスするのも弁理士の仕事です。特許を扱う弁理士は、法律と技術、どちらにも詳しくなければなりません。 また、商標(商品やサービスにつけるマークやネーミング)、意匠(デザイン)を専門にしている弁理士もいます。それぞれ専門的な知識が必要です。
僕たち弁理士は、新しい発明品が誰かに真似されないように特許を取るお手伝いをしているよ。
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