
荷物を運ぶときに必ずといっていいほど使われている段ボール。わたしたちの生活に段ボールはなくてはならないものなんだ。日本で最初に段ボールをつくったレンゴーに聞いてみたよ。
- ものづくりをする仕事
- リサイクルに関わる仕事
- 商品開発の仕事
中身を保護して、一度にたくさん運べるようになるんだ。
わたしたちのもとにものが届くときには、必ずといっていいほど、段ボールが使われています。農家がつくった野菜を市場やお店に届けるときには、段ボールにつめられて運ばれます。また工場でできあがった製品がお店に運ばれるときも段ボールにしっかり梱包されて運ばれます。段ボールに入れることで、中身を保護できて、しかも一度にたくさん運べるようになるのです。ふだんは気がつかないこともありますが、よく見るとわたしたちの身の回りには段ボールがたくさん使われています。段ボールはなくてはならないものなのです。
フタができるから虫やゴミなどを防げる
たくさんの品物をまとめて運べて積み重ねもOK
箱に印刷でき中の品物がわかり広告にもなる

中の品物にぴったりのサイズにできる
木箱やプラスチックの箱に比べて軽くて丈夫
中の品物を傷つけないで守れる
段ボールは何に使われてる?
わたしたちの身の回りにある段ボールはどんなことに使われているかな? たとえばこんなものがあるよ。





ビールの箱

どういう構造になってるの?
段ボールはただの厚い紙ではなくて、波形の中しんとライナを組み合わせた構造になっています。中しんを両側からライナで貼り合わせた「両面段ボール」がもっともよく使われています。ほかにも片側だけ貼り合わせた「片面段ボール」や、2層にしてより強度を高めた「複両面段ボール」、3層の「複々両面段ボール」などの種類があります。波形になった中しんが段ボールの強さの秘密で、また中の品物を保護する役目を果たします。

1ライナ
段ボールの表や裏に使われる厚紙のことです。
2中しん
3枚からなっている段ボールの中に入っている波形の厚紙のことです。この波形が強さを生んでいます。
3接着面
平らなライナと波形の中しんをのりでしっかり貼り合わせています。簡単にははがれないので頑丈です。のりはとうもろこしからつくられます。

紙なのに強くて丈夫なわけ
段ボールの中しんとライナの構造は、三角形がつらなった構造で「トラス構造」といいます。 橋やタワーなどにも使われているとても強い構造なのです。段ボールは紙でできていますが、とても丈夫なのはこの構造が理由です。
鉄橋やタワーと同じトラス構造
三角形がつらなった構造はとても強く、鉄橋やタワーにも使われています。

車がのっても大丈夫!

段ボールケースを4箱用意して、1t以上ある車をのせてもこのとおり。とても軽いのに強いのです。
紙からできている段ボールですが、じつはいろいろな機能を持つ進化した段ボールが登場してきています。たとえば紙なのに燃えにくい防炎段ボールや、野菜のおいしさを守るものなど、さまざまな新しい機能を持つ段ボールがあります。
紙なのに燃えにくい

右は、紙なのに燃えにくい防炎段ボール「RAFEP(ラフェップ)」
水に強い

ぬれても平気な耐水・防湿段ボールもあります
サビや静電気を防ぐ

電子部品などを運ぶときに便利な段ボールもあります
野菜の元気を守る

野菜の呼吸や水分の蒸発をおさえておいしさを守ります
リサイクルで環境にやさしいのも特徴です
段ボールの原料は、そのほとんどが、使い終わった段ボールを再利用した古紙でできています。段ボールは使われたあとに、家庭やお店などから回収します。その回収した古紙を使って段ボールの原紙をつくり、それからまた段ボールができあがります。段ボールは何度でも再生できてゴミにならず、資源を有効に活用できるのです。

レンゴーの古紙利用率はなんと98%!

段ボールはなくてはならない大切なもの
レンゴー株式会社
人事部人事課(東京) 髙松大暉さん
段ボールは160年以上も前にイギリスで発明され、日本では明治時代の1909年にレンゴーの創業者、井上貞治郎がはじめて段ボールをつくりました。以来、わたしたちの身近な存在として、たくさんの段ボールが使われています。畑でとれた野菜も、工場でつくられた製品も、大切なものを世の中に届けるためには、必ず段ボールが必要になります。電気やガス、水道などと同じように、今や段ボールは、わたしたちの生活に欠かせないものになっています。
段ボールについての楽しい動画が見られるよ!
