不動産の会社には、家などの情報がいっぱい。あんなに多くの家を、一軒の不動産会社が持っているのでしょうか? 全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)に聞いてみました。
- 不動産の仕事
- 宅地建物取引士の仕事
- 資格のいる仕事
不動産会社がすべての家や土地を持っているのではなく、持ち主に代わって、買いたい人・借りたい人に紹介しているんだよ。
家や土地など、「場所を動かすことが簡単にはできないもの」を不動産といいます。不動産は値段が高いことが多いので、売買や貸し借りでトラブルが起きないよう、専門の資格を持った不動産会社が間を取り持って、取引をします。
売る人・貸す人
子供と一緒に住むので、今まで住んでいた家を売りたいね。
相続した土地や建物を、うまく運用したいんだ。
転勤で引っ越すので、一時的に
マンションを貸したいな。
不動産会社には、土地や建物の情報がたくさん集まっているんだよ。
買う人・借りる人
大学に入ったので、一人暮らし用の部屋を借りたいです。
子供ができたので、家が欲しいなあ。
自分のお店を持ちたいので、
店舗用の物件を紹介してほしい!
宅地建物取引士ってなに?
不動産の取引のお手伝いをするには、「宅地建物取引士(宅建士)」という国家資格が必要です。宅建士は土地や建物に関する法律の専門家で、取引がスムーズに行われるよう、売る人・貸す人と、買う人・借りる人との間に入って手続きをします。
ハトマークがついた不動産会社は、全宅連と全宅保証(公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会)の会員のお店で、全国の宅建業者の約8割が加入しているよ。全宅保証では、お客さんのトラブルの相談や苦情の解決を行っています。
ハトマークサイトで、欲しい家を探してみよう
ハトマークサイトでは、今実際に借りたり買ったりすることができる物件の情報が掲載されています。
不動産会社って、どんなことをしているの?
不動産の調査をする
土地や建物の状況や、ライフライン(水道・電気・ガス)、近隣の環境などを確認。不動産を売りたい人の目的や条件、権利関係や法令上問題がないかも調査する。
お客さんに紹介する
不動産を買いたい人・借りたい人から、どんな物件を探しているか聞いて、その人にぴったりの物件を紹介する。気に入った物件があれば、現地の案内(内見)をする。
契約する
契約の前に必ず「宅地建物取引士」が、物件や取引条件に関する重要事項を説明する。契約書には、宅地建物取引士も責任をもって署名・押印をする。
物件を引き渡す
賃貸では、鍵を渡すことでお部屋を引き渡すことになる。売買では、銀行で司法書士の立ち会いのもと不動産の売買取引を完了して、新しい所有者の登録を行う。
部屋の情報はどうやって見るの?
不動産の広告には、家の場所、大きさ、価格、間取り、周辺の環境など必要な情報がわかりやすくまとめられています。日当たりや、近くに駅、学校があるかどうかなども大切な情報です。
※このような不動産広告のルールは「不動産の表示に関する公正競争規約」に細かく定められています。
新築は建築後1年未満で、人が住んだことがないものをいうよ。
徒歩1分は80メートルで計算するよ。
1坪は、畳2枚分。3.3058平方メートルのことだよ。
LDKは、リビングルームとダイニングキッチンの両方を兼ね備えた部屋。3LDKとは、LDKの他に三つ部屋があるという意味だよ。
部屋の向きなども重要な情報。ベランダやリビングは、南向きだと日当たりが良いよ。
不 動 産 ト リ ビ ア
道路がないと家は建てられない!?
家はどこにでも建てられるわけではありません。建物の敷地となるには、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければなりません。また、都市計画法や建築基準法により、住居地域や工業地域など土地利用の用途が定められたり、その地域ごとに戸建て住宅や飲食店、映画館など、実際に建てられる建物が定められています。そのほか不動産にまつわる多くの法令制限を調べるのも宅建業者のお仕事です。
人と物件と長いお付き合いができる仕事です。
株式会社Vivit Base 代表取締役社長 武原麻耶さん
私たちが生きていくうえで欠かせない「住まい」。家の購入や転居、一人暮らしを始める時など、不動産業界は人生の記念の時にお手伝いができるすてきなお仕事です。
その人に合った家などを紹介するためには、まず「宅地建物取引業法」や「都市計画法」などといった、50を超える法令を調べて物件の調査をするなど、事前の準備を行います。それから、「重要事項説明書」や「契約書」などの書類も作成し、取引を滞りなく安全に進めます。
専門的な知識が必要とされるので責任のある仕事ですが、長期的に人とお付き合いができて、自分自身も一緒に成長していけるやりがいのあるお仕事です。
その街にとって、身近な存在
になれたらいいなと思ってい
ます。