炎って赤いイメージがありませんか?でも、キッチンのガスコンロで使う炎は、青。どうしてでしょう?ガス機器メーカーのリンナイに教えてもらいました。
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あらかじめ空気を取り込んでガスを燃やすと、青い炎になるんだよ。
炎は、燃やすものの状況によって、色が変わります。ガスコンロは、ガス(メタンガス、あるいはプロパンガス)を燃やして炎を発生させます。ガスが燃えるには、ガスのほかに空気中にある「酸素」が必要です。ガスコンロの炎はあらかじめ空気を取り込んだものを燃やすので、燃えるスピードが速く、青い炎になります。あらかじめ取り込む空気が少ないと、ガスの炎は赤く見えます。
ガスの炎
あらかじめ空気(一次空気)を取り込んで燃焼しているよ
ガスコンロは、より多くの空気が取り入れられるよう、工夫されているんだね。
ろうそくの炎
あらかじめ空気を取り込まず、外側の空気のみを使うため、赤い炎になるんだよ
ろうそくは、芯から空気を取り込むことができないので、炎の外側の空気から酸素を取り込み、ガスよりもゆっくり燃えています。空気を取り込むタイミングが異なることで、燃焼の速度や色の見え方が変化します。
点火プラグ
電流を流して火花を発生させる装置。電池で動くよ。ガスコンロには、電池が必要なんだよ
ものが「燃える」ということは、「燃えるもの」が酸素と結びつくという化学反応です。ものが酸素と結びつくには、高い温度が必要です。 ガスコンロは、スイッチを入れたとき、電流を流して一瞬だけ火花を発生させ、その温度でガスと酸素を結びつけ、炎を発生させます。
ガスの炎は、家庭のあちこちで大活躍
ガスの炎は、家庭のさまざまなところで活躍しています。ガスコンロはもちろん、給湯器や衣類乾燥機にも、ガスは活躍していますよ。
ガスコンロ
家庭内でもっとも「炎」を目にすることが多いキッチンのガスコンロ。最近のものはさまざまなセンサーが取り付けられ、コンピューターで制御されています。安全に、快適に料理をするための工夫があるんですよ。
立ち消え安全装置
炎がついているかどうかを熱で検知するセンサー。ふきこぼれなどで炎が消えたら、ガスを止めるよ
温度センサー
なべの温度を感知して、熱くなりすぎたら炎を止めるほか、料理によっておいしい火加減を自動で調節することもできるんだよ
操作ボタン
ボタンひとつで、簡単に火がつけられるよ
セーフティーバルブ
操作ボタンを押すことで信号が送られ、ガス栓の開閉を行うバルブ。さまざまなセンサーの情報をもとに制御も行い安全にガスを出しているよ
給湯器
蛇口をひねると出てくるお湯は、実は、ほとんどがガスの炎でつくられています。ガス給湯器は瞬間的に水を温め、お湯をつくる器具。大きな熱量の炎を当てて管の中の水を温め、お湯に変えます。
家庭用の給湯器
給湯器の中には水道管から水を流す管が配置されている。より効率を良くするために水の通り道にもさまざまな工夫があるよ
衣類乾燥機
衣類乾燥機はガスの炎でつくった80℃以上の温風で、洗濯物を短時間で乾かします。
雨の日でもお日さまの下で干したようなふっくらと気持ちのよい衣類になるよ
ほかにも、お風呂の暖房など、さまざまなガス器具が家庭の中で大活躍しているポン。
効率の良い加熱のしくみを、日々研究しています
リンナイ株式会社
開発本部 第二商品開発部 厨房機器試験室 古田美咲さん
ガスを燃やした炎の色は、取り込む空気の量で変化します。空気が少なければ、ろうそくのような赤色の炎になります。また、空気が多すぎても、浮き上がった不安定な炎になってしまいます。ガスコンロは、空気の量を調整して、青色で安定した炎になるように設定されています。 さらにわたしたちの会社では、どうやったら少ないガス量で効率よく、鍋などを加熱できるか、日々研究しています。たとえば、炎が出る口の形ひとつにしても、数えきれないほどの工夫があるんですよ。おうちにガスコンロがある人は、ぜひ、よく観察してみてください。普段何げなく使っている生活用品の中にも、それを開発する人々の知恵と努力が隠されているのです。
身の回りのどんなところでガス機具が使われているか、探してみてね!