地上から100メートル以上もの高さを誇る超高層マンション。いったいどうやって建てているんだろう?フジタに教えてもらったよ。
設計から仕上げまで、たくさんの工程を経てつくるよ。
約950もの戸数となる、60階建ての超高層マンションができるまでを、見てみましょう。
どんなマンションにするのか、どのくらいの太さの柱を立てて、どんな材料を使うのか、細かい設計図をつくります。大きなマンションになると、何人もの専門家がチームになって設計を行い、設計図は何百枚にも及びます。精密な模型をつくって、周囲の環境に及ぼす影響も調べ、設計に生かします。
▲ 模型に風を当てて、超高層マンションが周りの環境にどんな影響を及ぼすのかを検証する「風洞実験」の様子
超高層マンションの大変な重さを支えるには、基礎(地下の部分)がしっかりしていなければなりません。地層の一番固いところまで掘った深い孔にコンクリートを流し込んでつくった長い杭を何本も設置し、支えます。
ステップ1
①山留め壁を設ける ②杭を設ける
ステップ2
③掘って切梁をかける
ステップ3
③切梁をはずして地下階をつくる
▲ 杭のための孔を掘る様子
▲ 地面を掘って地下をつくっているところ。地下のつくり方もさまざまな工法がある
200メートル以上の超高層マンションだと、重さは20万トン以上になることもあるんだ。
フジタ「築育」キャラクター
建造くん
建物の柱、梁、床など、骨組みになる部分(躯体)をつくります。超高層マンションでは、鉄の棒をたくさん入れて補強したコンクリートの柱で建物を支える「鉄筋コンクリート造」という躯体をつくります。
▲ 工場でつくったコンクリートの部品を現場で組み立てる。これを「PC工法」というよ
▲ コンクリートの部品の中は、たくさんの鉄の棒で補強されている
床にも梁にも柱にも、たくさんの鉄の棒が入っているんだ!
骨組みができたら、建物の外観や部屋の中を美しく見せるための工事が行われます。また、建物を雨や風から守るための窓を取り付ける工事や、電気設備・水道設備など快適に生活するための施設をつくる工事も行われます。
▲ 天井にはたくさんの配管や配線が。生活に必要な、電気や水、ガスの通り道だよ
▲ 部屋の間取りをつくってキッチンやつくり付け家具を運び入れ、ボード・壁紙を貼ったら完成
設計開始からマンションが完成するまで、だいたい4~5年くらいかかるよ。
▲ 超高層マンションをつくる現場では、多い時には1日600人以上もの人々が働くよ
大きな建物がどうやってつくられるのか、興味を持ってほしいな
株式会社フジタ
建築本部 建築技術部長 大井尚志さん
大きなマンションが出来上がっていくのを見る時、「どうやったらこんな大きなものが建てられるんだろう?」と思ったことはありませんか?
そんな疑問を持った人は、ぜひ、建築技術者を目指してください。私もそんな子どもでした。大学でも建築を勉強し、今の仕事をしています。
設計から完成まで何年もかかるようなマンションは、その土地の形や気候、デザインによって、一つ一つ、設計の段階から異なります。大勢の人の手で、長い時間をかけてつくり上げた建物が完成し、すべての覆いが外されてその姿を現した時、とても誇らしい気持ちになりますよ。