「がん」ってどんな病気なの?

おしごと年鑑 身近な生活につながるお仕事 2019年度
公益財団法人日本対がん協会

日本人の生涯で2人に1人がかかり、年間死亡者の死因の3割を占める「がん」という病気。そこで「がん征圧」を目指して活動をしている、日本対がん協会に教えてもらったよ。

がんとは、細胞の「設計図」にミスが起き、異常な細胞(がん細胞)が増え続けて命をおびやかす病気のことだよ。

人の体は小さな細胞がたくさん集まってできています。体が大きくなったりして細胞が生まれ変わるとき、細胞の中にある「設計図」通りに同じ細胞が作られます。でも、設計図が放射線などで傷つけられると、異常な細胞ができることがあります。その一つが「がん細胞」です。がん細胞ができても、免疫(体が持つ、病原菌や毒素などに打ち勝つ力)の働きなどで取りのぞかれますが、免疫の目を逃れるものができて、どんどん増えると、周りの正常な臓器などがおかされます。これが「がん」という病気で、やがて命をおびやかすようになるのです。

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がん細胞が増えている様子。

免疫の目から逃れて増え続けるのが、がん細胞のこわいところ!

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がんは日本人の死亡原因の1位
でも、早く見つけられれば、多くは治ります

2017年に亡くなった日本人の死因をみると、3位は脳の血管の病気(8.2%)、2位は心臓病(15.3%)、1位はがん(27.9%)です(※)。世界的に見ても、日本はがんを患ったり、がんで亡くなったりする人の割合が多いです。でも早くがんを見つけて治療すれば、多くは治ります。早く見つけるためにも、大人になったら必ず、がん検診を受けましょう。

※厚生労働省「人口動態統計」2017

がんの5年相対生存率(2008年診断患者)

出典 地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター調べ

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検診でがんが発見された場合

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検診以外でがんが発見された場合

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「がんの5年相対生存率」とは、がんと診断された人の5年後に生きている割合が、その年代の日本人の5年後に生きている割合より、どれくらい低いかを示したものです。検診で早くがんを見つけ、治療することの大切さがわかります。

日本人が一生のうちにがんになる確率は?

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一生では47%

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一生では62%

一生のうち、日本人の2人に1人はがんになると考えられますが、男性のほうが女性よりも、がんになる割合が高くなっています。ただ、女性は子宮頸がんや乳がんのように、やや若くしてがんになるケースが多い傾向があります。

今日からできるがん予防

調査や研究により、毎日の生活に気をつけることが、がん予防につながることがわかっています。そのいくつかを紹介しましょう。

野菜、くだものをしっかりとる

栄養バランスのいい食事は、健康な体をつくるための基本です。とくに野菜とくだものはしっかりとりましょう。給食も好き嫌いせず、食べましょう。

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運動不足に気をつける

一日の体の活動量が多い人ほど、がんの発症が低いことがわかっています(※)。子どものころから運動の習慣を身につけ、おとなになっても汗をかきましょう!

※国立がん研究センターの多目的コホート研究「身体活動量とがん罹患との関連について」から

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週に1回は30分走るなど、汗をかく運動をしよう。

太りすぎない、やせすぎない

さまざまな体形の人たちを10年間、追跡調査(※)したところ、がんを発症する確率が高かったのが、太りすぎとやせすぎの人でした。生活習慣や食事バランス、運動量などが関係していると考えられています。

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※国立がん研究センターの多目的コホート研究
「身体活動量とがん罹患との関連について」から

あとはやっぱり早期発見!
おとなになったらがん検診だ!!

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がんの治療は日々進化!

がんの治療は主に「手術療法」「化学療法」「放射線療法」の3種類があり、「三大療法」と呼ばれています。ほかにも、副作用をやわらげるための治療や、痛みをやわらげる緩和ケアなどもあります。また、iPS細胞に代表される再生医療の研究にも期待がかかっており、がんの治療は日々進化しています。
いずれにしても患者さんが納得できる治療を選べるよう、医師や看護師、検査技師など、がんに詳しい専門家が集まり検討や提案を行います。

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手術療法

がんの病巣などを直接取りのぞく。完治の可能性が高い。

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化学療法

主に「抗がん剤」という薬を血液を通して全身にめぐらせ、がん細胞を攻撃する。

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放射線療法

放射線をがんの病巣にあてて、がん細胞をなくす。

「がんに負けない社会」をつくるために取り組んでいます

答えてくれた人

公益財団法人日本対がん協会 坂野康郎さん

みなさん、がんって、どんなイメージを持っていますか。「こわい」とか「治らない」とか思う人がいるかもしれないけど、早く見つけられれば治る病気なんだ。日本対がん協会は「がん征圧」を目的に、1958年に生まれた歴史ある団体です。子どもたちにがん教育をしたり、がんの正しい知識を広めるイベントをしたり、がん患者や家族を支える活動をしたりしています。全国の支部では「がん検診」をしています。このページで学んだことをおとうさん、おかあさんに伝えて、「がん検診、受けてね」と呼びかけてくださいね。

がんのことをもっと知る。知っている人をもっと増やす。それが「がん征圧」のためには必要なことなんだ!

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