みそやしょうゆの原料になる大豆。でも、大豆がお肉になるって、知ってました? 大豆のお肉の研究開発を進めるマルコメに、大豆のすごいパワーについて教えてもらいました。
- 大豆製品をつくる仕事
- 環境にやさしい仕事
- 商品開発の仕事
大豆から作られた植物性の食品だよ! 高タンパクでヘルシーな「第4のお肉」として注目されているよ。
「畑の肉」と呼ばれる大豆のスーパーパワー!
古くから日本で栽培されている大豆は、豊富な栄養素を含む食品としても注目されています。特に、人の体をつくる栄養素として欠かせないタンパク質が豊富。私たちは普段、肉や魚を食べてタンパク質を補います。でも、大豆は植物なのにタンパク質が肉類並みに豊かなのです。肉類と比べて脂質が少なく、肉類には含まれない食物繊維を豊富に含むので、健康に良い食品として、人気を集めています。
●大豆のここがスゴイ!
豊富な植物性タンパク質
体をつくるタンパク質。特に成長期の 子どもには大切な栄養素だよ!
食物繊維もバッチリとれる
腸内細菌のエサになる食物繊維。腸内細菌が 元気だと、おなかの調子も良くなるよ。
カルシウムや鉄分も!
骨のもとになるカルシウムの含有量は牛乳並み。必要な鉄分も含まれるよ。
今注目のイソフラボン‼
最近、特に注目されているのが、大豆に含まれる「イソフラボン」という物質。健康維持と美容に作用があると言われています。
大豆が大変身!
お肉そっくりの「大豆のお肉」
お肉と同じように高い栄養価があるなら、お肉のように食べちゃいたい! そんな要望に応えて生まれたのが、マルコメの大豆ミート、その名も「大豆のお肉」。カロリーや脂質を抑え、栄養バランスに優れた、大豆生まれのお肉です。毎日の食卓に、より大豆が取り入れやすくなりました。
▲大豆の油分を搾り出し、フレーク状にする
▲機械に入れて圧力と熱を加える
▲高温乾燥させて、でき上がり!
お肉の食感そのまま、大好きなあのお料理に
▲ 乾燥タイプの「大豆のお肉」は、大豆しか使っていないよ
「お肉の食感」がおいしさの秘密
お肉は、やわらかければおいしいというわけではありません。しっかりかんで味わうためにも、お肉らしい弾力性が大切。「大豆のお肉」は、「お肉を食べている」という満足感を追求し、適度な弾力性を持つよう作られています。
お肉と違ってかたくならないから、冷めてもおいしいポン。お弁当にもぴったりポン。
レシピに合わせて便利に使い分けられる
大豆のお肉が世の中に必要なワケ
ウシやブタ、ニワトリなど、食用の肉となる家畜を育てるためには、当然エサが必要です。例えば牛肉の場合、人が食べる1キログラムの肉に対して、必要となる穀物は11キログラムにもなります。つまり、私たちは肉を食べるたびに、膨大な量の飼料も消費していることになるのです。
現在、世界の人口は80億人を超えています。2050年には、100億人近くなるという試算もあります。人口が増えるとその分食料も必要になりますが、世界の穀物の収穫面積はすでに限界を迎えていて、1人当たりの収穫面積はどんどん減っています。このまま世界中の人たちが肉を食べ続ければ、飼料用の穀物はあっという間に枯渇してしまうでしょう。こうした事態を防ぐためにも、大豆のお肉をはじめとする、植物性の良質なタンパク質を摂ることができる食品が、急速に注目され始めています。
●牛肉をつくるのに必要な穀物の量
●世界の人口増加
資料:国連「世界の推計人口:2019年版」を基に農林水産省で作成
「ギルトフリー」って、どういう意味?
ギルト(guilt)とは、罪悪感という意味。子どものうちはあまり気にしなくていいけれど、大人になると、「食べたいなあ、でも太るなあ」など、健康などの観点から、食べることに対して罪悪感を抱くことがあります。でも、大豆のお肉なら、たくさん食べてもカロリーや脂質が控えめな上、良質なタンパク質や食物繊維がしっかり摂れるので、罪悪感のない食事が楽しめます。
おいしいものは、
みんなで楽しく
食べたいよね!
参考文献:『知ってる?日本の食料事情〜日本の食料自給率・食料自給力と食料安全保障〜』(農林水産省)
大豆ミートの可能性を追求しています
マルコメ株式会社 研究開発本部
開発部 商品開発課 武田昌彦さん
マルコメができたのは、江戸時代の1854年。当時はみそやしょうゆを作る会社でした。みそもしょうゆも原料は大豆。長年培ってきた大豆に関する知見をもとに、今ではさまざまな種類の加工食品を開発しています。大豆ミートとも呼ばれる「大豆のお肉」もその1つ。私は「大豆のお肉」をさらに改良するための研究を続けています。「大豆のお肉」は乾燥タイプであれば油分を搾った大豆としょうゆのみを原材料に使用し、レトルトタイプのものでも、動物性の原料は入っていません。ヘルシーさとおいしさ、そして使いやすさを、これからも追求していきます。
みそづくりで培ってきた大豆に対する知見を、フルに活用して開発しています。