乳児から小学校入学前の保育を必要としている子どもを預かり、保護者に代わり子育てを実践するのが保育士です。具体的には、どんなことをしているのか、全国で保育園を運営する日本保育サービスに教えてもらいましょう。
「子育てのプロ」として、子どもの成長をサポートしています!
保育士に求められること
保育園で生活する子どもたちが、
安全・安心 に過ごせるよう、
配慮しながら関わります
安全と健康を守ります
保育園は、子どもたちの命をあずかる場所。園内の事故に気をつけ、子どもの体調に適切に対応します。
自立心を育てます
生活リズムをつくり、食事や着替え、トイレや手洗いなどの基本的な生活習慣が身につくようにサポートします。
好奇心、意欲を育てます
遊びや活動の中で、考えたり、気づいたり、文字や数に触れたりする機会をつくり、小学校での学びにつながるようにします。
社会性を育てます
集団生活に必要なコミュニケーション能力や社会のルールなどが身につくようにサポートします。
保護者に寄り添って
サポートします
子育ての悩みなどの相談に乗り、保護者をサポートすることも大切な役割です。
一人ひとりの成長を
大切にし、尊重します
発達、成長のしかたは、子どもによってそれぞれ。保育士は、子ども一人ひとりの成長に合ったサポートをすることが強く求められます。
0歳ころ
首がすわる、腹ばいから寝返り、おすわり、つかまり立ちと、成長が著しい。
1歳ころ
歩けるようになり、言葉も話し始める。さまざまなものに興味を持つようになる。
2歳ころ
手指が上手に使えるようになる。自分で何でもやりたがるようになる。
3歳ころ
鉄棒にぶら下がるなど、運動機能が伸びる。おとなのお手伝いをしたがる。
4歳ころ
おもちゃを友だちにがまんして貸すなど、感情コントロールができるようになる。
5歳ころ
友だちとの世界が広がる。ドッジボールなどルールのある集団遊びが盛んになる。
6歳ころ
子ども同士で役割分担をするようになる。文字や数字を意識するようになる。
※成長の様子を年齢別にイラストにしましたが、発達には個人差があります
保育士の1日
07:00〜
早番出勤・登園・検温など
早番の保育士は、7時には出勤し、準備をします。子どもたちが登園したら、保護者に家庭での様子やお迎えの時間を確認しつつ、体調や気分をチェック。検温もこのときに行います。
08:00〜
あそび・おやつ
この日は遊びながら英語に親しむ時間がありました。その後、天気が良かったのでお散歩へ。まだ歩けない子どもは、お散歩カー(避難時兼用)で出かけます。
11:30〜
昼食
食事の介助をします。衛生に気をつけ、何をどれくらい食べたかなどをしっかりチェックし、記録します。
12:00〜
お昼寝・書類作成など
お昼寝中は、10分に1回、呼吸や顔色、汗を確認し、うつぶせにならないよう注意しつつ、チェック表に記入します。連絡帳の記入もこの時間にします。
15:15~
あそび・おやつ
体の発達に合わせた遊びや活動を続けます。
16:00~
降園・延長保育・遅番に交代
順次降園します。お迎えの保護者に子どもの様子などを伝え、短い時間でもコミュニケーションを取るようにします。早番は、遅番の保育士と交代します。
20:00~
おそうじ・退勤
20時過ぎに延長保育の子どもが降園したら、トイレなどの掃除や整理、明日の準備などをして帰ります。
▲東京都港区のアスク芝公園保育園。東京タワーの近くにあります
▲絵本やパペット、おもちゃなど、子どもたちが興味を持って意欲的に遊べるものを用意しています
子どもは保育士のこと、 けっこう見てますよ!
▲身だしなみや言葉づかい、日常の動作など、子どもたちの見本となるよう、心がけています
▲子どもの保育以外にも、連絡帳や個人記録、来月の保育計画など、たくさんの書類を作成します。これも保育士が子どもの成長や発達に合わせた保育をするための大切な仕事です
保育士になるには?
高校卒業後、保育士養成学校で学び、卒業して保育士資格を取得する方法が一般的。ほかに、年2回(原則)実施される保育士試験を受験して、合格する方法もあります。
保育士は、大変だけど楽しいです!
アスク芝公園保育園 保育士 江頭奈央さん
通っていた幼稚園の先生が大好きだった私は、そのころから「先生みたいになる」ことが夢でした。
保育士は、ただ子どもと遊んでいるわけではなく、子どもの成長や発達に合わせて、どんな遊びを保育に取り入れるかを考えています。また、子どものちょっとした変化に気づいたら、保護者とコミュニケーションを取るようにします。そして、子ども一人ひとりの成長に合わせた計画を考えたり、行事の準備をしたりもします。想像以上にいろいろな仕事が多く大変なところもありますが、やはり子どもたちが成長する姿をつぶさに見守っていける保育士の仕事は、本当に楽しくやりがいがあります。
子どもたちには、保護者と
離れている時間も、楽しく
過ごしてほしいですね