地球でいちばん力持ちの生き物は何?

おしごと年鑑 未来を生み出す科学技術のお仕事 2019年度
株式会社キトー

地球の生き物でいちばんの力持ちは、自動車をひっくり返すほどのパワーを持つゾウ? 人間の10倍の握力を持つといわれる腕力自慢のゴリラ? チェーンブロックという道具を作っている株式会社キトーに聞いてみたよ。

人間。道具を使えば、地球上のどんな生き物よりも、重いものを持ち上げることができる!

人は、大昔から重いものを小さな力で動かす工夫を考えてきた!

持っている力だけだとゾウやゴリラに負けるけれど、人間には力を補う知恵と道具があるんだケモ!

ケモノン

5000年前 ピラミッド建設の石の運搬

約5000年前 ピラミッド建設の石の運搬

古代エジプトの巨大なピラミッド建設では、斜面とそりにのせて、木の棒を使った「てこ」で、重い石を運んでいたと考えられています。

約2200年前 アルキメデスの

2200年前 アルキメデスの滑車

約600年前 中世ヨーロッパのクレーン

古代ギリシャの天才発明家アルキメデスは、滑車をつかった巨大クレーンを発明し、戦争で秘密兵器として使い、敵船をひっくり返したと言われています。また、同じ滑車の仕組みで荷物用のエレベーターを発明したとも言われています。

矢印

600年前 中世ヨーロッパのクレーン

約600年前 中世ヨーロッパのクレーン

今から600年ほど前から、ヨーロッパでは滑車のしくみをつかったクレーンを作り、船から荷物を陸に揚げるのに使いました。ドイツなどでは、ほんの少し前まで現役として使われていて、今では文化財として大切に保存されています。

矢印

現代 巨大クレーン

現代 巨大クレーン
ヒナタ

物理の知識とそれを利用した道具で、どんな重いものでも持ち上げられるってことか!

重いものを小さなちからで動かすくふう、「てこ」と「滑車」

前のページで紹介した、重いものを少ない力で動かす道具の多くに使われているのが、「てこ」と「滑車」のしくみです。前のページで見たように、「てこ」は記録にない大昔から、「滑車」は少なくとも2000年以上前に、すでに発明されていました。

てこ

棒を一つの点で支えて、その点を中心に、自由に回転できるようにしたもの。下の図のように、「支点」「力点」「作用点」があり、支点と作用点が近いほど、小さな力で重いものを持ち上げられます。

てこ

滑車

車の溝に、ロープやチェーンをかけたもの。軸が固定された「定滑車」、固定されていない「動滑車」、この二つを組み合わせた「複合滑車」があります。 滑車を複数組み合わせることで重いものを小さな力で持ち上げることができます。

滑車

滑車のしくみもじつはてこと同じ

滑車のしくみもじつはてこと同じ

このしくみで巨大な建物をつくることができたのね!

kemonon

「てこ」と「滑車」のしくみを利用すれば誰でも力持ちに!

人の力で重いものを持ち上げる道具

チェーンブロック

チェーンブロックは、チェーンといくつもの歯車を組み合わせた道具。
工場や建築現場など、重いものを持ち上げることが必要な仕事の現場で活躍しています。さらに、電気の力を使えば、もっと速く持ち上げることができます。

チェーンブロック

中に入っているいくつもの歯車によって、てこと滑車の仕組みが作られている。

チェーンブロック
ケモノン

たとえば……
チェーンブロックがあれば、大人2人の力で3階建ての家を持ち上げることだってできるケモ!

チェーンブロック

ただし、1m持ち上げるのに、何百メートルもチェーンを引っ張る必要があるケモ!

モノ作りを支える縁の下の力持ちです

答えてくれた人

株式会社キトー 標準設計グループ 小野美砂さん

キトーで作っているチェーンブロックなどの設計を担当しています。今はおもに、すでにある製品をより使いやすくするために改良する仕事をしています。
重いものを持ち上げるのは、大きなモノを作るときにとても重要なことです。キトーのチェーンブロックは世界各国で使われていて、それぞれの国のモノ作りを支えているんです。でも、たとえばロシアのようなとても寒い国だと、日本と同じ部品のままでは寒さでうまく動かなくなってしまうことがあります。そんなとき、どの部品に問題があって、その部品の何をかえれば問題なく動くようになるのかを考えるのが私の仕事なんです。
私たちの仕事は、世界のモノ作りの仕事を支える縁の下の力持ちだと思っていて、とてもやりがいを感じています。

モノのしくみに
興味を持って
みましょう。

答えてくれた人