日本全国にある高速道路は、地形や地質などがかなり違う山間部や都心部にも造られています。いったい、どのようにして高速道路は造られているのでしょう?NEXCO東日本に教えてもらいました。
NEXCO東日本は東日本高速道路の愛称
土を盛ったり、橋をかけたり、トンネルを通したりして、できるだけカーブのない道路を造っているよ!
高速道路ができるまでの流れ
高速道路ができるまでには、大きく四つの段階があります
1どこに高速道路を造るかの 計画を決める
2高速道路を造る場所の土地を買う
3土を盛ったり、トンネルや橋を造る
4アスファルトを敷いたり、料金所などの建物を造る
橋やトンネルの造り方
橋やトンネルには、いろいろな種類があり、その種類によって造り方(工法)もいろいろです。そのうちのいくつかを紹介しましょう。
1橋の工法
山間部の谷間のように、大きな車が入れない場所では、「ケーブルエレクション工法」という造り方で橋を架けます。この工法は、工場で造った橋桁をケーブルで吊って組み立てていく方法です。交通量が多い道路と交差する橋は、「クレーン架設」という方法で橋を架けます。これは、あらかじめ組み立てた橋の部材を、夜に道路を通行止めにしてクレーンで吊り上げて橋を架けるというものです。できるだけ大きなクレーン車で、大きな部材を一度に架けることによって、通行止めにする日数を減らすことができます。
▲ケーブルエレクション工法
▲クレーン架設
2トンネルの工法
山間部でトンネルを掘る場合によく使われるのが、「NATM工法」です。これは、掘削機械や火薬で山に穴を掘り、掘った部分が崩れないようにコンクリートを吹き付けたり、鋼材を使ったり、鉄の棒(ロックボルト)を周りに打ち込んだりしながら掘っていく工法です。
地上部が開発されている都市部や、河川の下などにトンネルを掘る場合に使われるのが、「シールド工法」です。これは、トンネルの断面に合わせて造られたシールドマシンを使って掘り、掘った部分が崩れてこないように、トンネルの壁(セグメント)を造りながら掘っていく工法です。
▲国内最大断面のシールドマシン
高速道路の効果
2018(平成30)年6月2日に、東京外環自動車道(外環道)の三郷南インターチェンジ-高谷ジャンクション間が開通したことにより、都心の渋滞が軽減されたり、周辺の生活道路の混雑がなくなったりするなどの効果がありました。
東京外環自動車道の開通前後の
経路と渋滞状況の変化
▲外環道のトンネル
開通前
▲外環道開通前は渋滞していた生活道路が……
開通後
▲外環道の開通後は車の流れが変わってスイスイ!
新しい高速道路ができると、たくさんの効果が生まれます!
NEXCO東日本 建設部建設課 中澤康雄さん
NEXCO東日本では、高速道路ネットワークの整備に取り組んでいます。首都圏の場合、環状道路などのネットワークの整備を進めることで、混雑の緩和や、交通事故の減少などの安全性向上、物流の効率化などの効果が期待されます。また、全国の都市と都市をつなぐネットワークの整備により、地方と都市の間の交流と連携を活性化させ、災害が発生してどこかの道路が通れなくなった場合も、ヒトやモノの流れを止めることがなくなります。
高速道路の建設では、地元にお住まいの方にご迷惑をおかけすることもありますが、ご理解・ご協力、よろしくお願いします。
みなさんが運転する頃には、今よりもっと便利な高速道路になっています!