スーパーには、いろいろな商品名がついたバナナが袋詰めされて並んでいます。いったい、どこで袋詰めされているのでしょう? フルーツの商社・ユニフルーティージャパンに教えてもらいましょう。
フィリピンなどのバナナ農園にある、
パッキングハウスで袋詰めされているよ!
以前、バナナは日本に輸入されてから、スーパーや八百屋で小房に切り分けられ、そのまま店頭に並ぶ「裸売り」のものしかありませんでした。しかし甘さや栽培方法などに特徴がある、商品名のついたバナナが登場すると、商品名や産地情報などが分かるシールが貼られた「袋売り」が主流になります。
現在では袋売りバナナの多くは、日本に輸出される前にバナナ農園の作業場(パッキングハウス)で袋詰めされています。「やさしさバナナ」を例に、その流れを見てみましょう。
▲「やさしさバナナ」は、ほぼ毎日バナナを食べる家族向け。小さな子どもでも親しみを感じる、ひらがなの商品名。
ユニフルーティー・グループは、フィリピン南部のミンダナオ島に、自社管理農園や提携農園を持っている。広さは小さなものでも東京ドーム10個分ほど。各農園にはパッキングハウスがあり、バナナの品質を徹底管理。そして、各商品の規格に合わせてバナナを選び、日本へ出荷するまでの作業を行っている。
❶農園からバナナがやってくる!
▲農園内に張りめぐらされたケーブルに、バンチのまま吊るされて、パッキングハウスまで運ばれる。
❷切り分ける
▲保護用の袋からはずして、バンチからハンドに切り分けて水洗い。
❸バナナを選別し、カットする
▲傷や形をチェックして、「やさしさバナナ」の規格に合ったバナナをクラスターに切り分ける。
❹計量
▲トレーに「やさしさバナナ」の規格に準じたクラスターを置き、重さを量る。
❺袋詰め・箱詰め
▲「やさしさバナナ」のシールが貼られたビニール袋にバナナを詰める。シールとビニール袋もフィリピンでつくられている。その後、箱詰めされ、検査を経て、冷蔵運搬船で日本に運ばれる。
青いバナナは日本で黄色くなる!
❻日本のスーパーに並ぶ!
▲フィリピンから日本に輸入された「やさしさバナナ」は、室と呼ばれる加工場で袋詰めされたまま1週間ほど熟成され、黄色くなる。そしてスーパーで販売され、みんなの元へ!
バナナの部位の名称
BUNCH
バンチ
▲バナナの全果房を指す。ハンドが10~15房ほどついている。バンチ1本で25~30kg分のバナナを支える。
HAND
ハンド
▲バナナの果段、房を指す。ハンド1つに15~18本のフィンガーがついている。
CLUSTER
クラスター
▲3~5本ほどに小分けされた房のこと。「やさしさバナナ」は4~5本と決められている。
FINGER
フィンガー
▲バナナの子房を指す。つまりバナナ1本のこと。
パッケージングは、〝お気に入り〟のバナナを
お届けするためにあります
株式会社ユニフルーティー ジャパン経営管理部
プロダクト&ロジスティックマネージメント
アシスタントディビジョンマネージャー 奥井慶樹さん
いつも食べるバナナだからこそ、〝バナナなら何でもいい〟ではなく、〝お気に入り〟を見つけてもらいたい……。そのために、私たちはそれぞれの特徴に合わせてバナナをパッケージングしています。フィリピンのパッキングハウスで働いている人たちにも、このバナナをどんな人に食べてもらいたいかを説明し、ただ袋詰めするのではなく、バナナがきれいに見える仕上げをしてもらっています。ぜひ皆さんも、自分の〝お気に入り〟を見つけてみてください。
キミの〝お気に入り〟の
バナナは、どんな袋に
入っているかな?