ファイナンシャルプランナー のしごと

2025.07.08 紹介します○○のしごと

株式会社トウシナビ代表でファイナンシャルプランナーの櫻井かすみさん
「私はたくさんなやんだことで、実現したい夢がハッキリしました」と話す櫻井かすみさん=東京都中央区
株式会社トウシナビ代表でファイナンシャルプランナーの櫻井かすみさん

櫻井かすみさん

株式会社トウシナビ代表

お金の不安 話して減らして

将来の豊かな生活につながる「お金の使い方」をお客さんと一緒に考え、計画を立てるのがファイナンシャルプランナー(FP)の仕事です。年収○○万円なら保険料や教育費はいくらぐらい……といった話をしながら、相談者が望む人生を送れるようにサポートします。

「多くの人は将来の見通しが立たず、お金に不安を持っています。何歳までにこれくらいのお金があれば夢も実現できますよ、と示して、安心していただくことを第一に考えています」

例えば、子どもが海外留学をすることになったら、急にまとまったお金が必要になります。そんな「いざ」という時のことも考え、親はお金のため方・使い方などを相談するのです。

櫻井さんは朝、まずメールやSNSを確認。仕事の依頼などに返信します。そして、ニュースや本などで金融、投資、保険などの情報をチェック。その後、お客さんの相談に応じます。

子ども時代、「周囲より裕福ではなかった」櫻井さんは、出産する時に「お金のことでわが子を不安にさせたくない」と強く思ったそうです。2019年から猛勉強をして資格を取り、FPになりました。「何かを始めるのに『遅すぎる』ということはありません」

あゆみ

1987年
大阪府生まれ
幼少期・小学校時代 
何か買ってもらうと、家のお金が減るのを「ごめんね」と感じていました
中学校時代
水球部に入部。ジュニアオリンピックカップに出られるほどに。一方で、勉強の成績は一番下のほうでした
高校時代
京都女子高校時代も勉強は下位。変わらず、水球に打ち込む日々でした
大学時代~
付属校からそのまま京都女子大学の教育学部系(当時)に進学。教師になろうと考えましたが、教育実習で挫折。あきらめて製薬会社に就職しました
2010年~
入社後は薬剤について勉強。結婚して退職した後に離婚し、お金への不安が高まりました。再就職、再婚、出産をへる中で、育児休暇中の19年にFPの資格取得に向けて勉強を始め、20年に合格。22年に独立しました
2024年
『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本』(Gakken)を出版
やりがいや苦労

視点変わる楽しさ伝えたい

櫻井さんは、金融をはじめとしたお金に関する勉強会も開いて、専門知識を多くの人に伝えています。これまでのべ2千人以上を指導してきました。

「勉強会では、お金の使い方やため方、増やし方に興味がある人が多いです。一方で、お金の知識を身に付けると社会や経済の動きがわかるようにもなります。例えば『株価が下がった』『円安が進んだ』といったニュースの意味や、その背景にある出来事なども、想像できるようになる。世の中の見方が変わりますよ。これってすごく楽しいことだと、参加した人が思ってくれるとうれしいです」

もっと知るには

「お金自体には価値がない」といった、学校では教わらないような「お金と社会の本質」を、小説仕立てでわかりやすく教えてくれる本です。写真の表紙は、『きみのお金は誰のため』(田内学/著、東洋経済新報社)

株式会社トウシナビ代表でファイナンシャルプランナーの櫻井かすみさんがおすすめする書籍

なるためには?

ファイナンシャルプランナーになるには、国家検定の「FP技能士」の資格を取得するのが一般的です。試験には、学科と実技があります。学科は、金融、保険、不動産、相続、税金の制度などの科目があり、実技は実際の相談ケースにもとづいて計画を立てることを学んでのぞみます。それらに合格して資格を得れば、金融機関などでFPとして働くこともできます。櫻井さんは、自ら会社を立ちあげました。

必要な道具は?

ふだんの仕事で必要なのはパソコンと電卓。学校などで講演する時は、この「ゆび指示棒」を使うと、子どもたちの心をつかんで、きょりがグッと縮まります。

株式会社トウシナビ代表でファイナンシャルプランナーの櫻井かすみさんが仕事で必要な道具

2024.12.30付 朝日小学生新聞
構成・正木伸城(ライター)

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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