新規事業開発(学習領域) のしごと

2023.04.03 紹介します○○のしごと

コクヨ株式会社イノベーションセンターの久我一成さん
勉強アプリ「キャリーキャンパス」について説明をする久我一成さん=2022年9月21日、東京都港区
新規事業をてがけるコクヨ株式会社イノベーションセンターの久我一成さん

久我一成さん

コクヨ株式会社イノベーションセンター(東京都港区)

新商品を生みだし 学びを応援

「コクヨ」は、文房具やオフィス家具などを作る会社です。「キャンパスノート」などの商品が有名です。久我さんは、新しい事業を考える部署で働いています。

「働く」「学ぶ」「暮らす」3分野の新しい事業を考えるチームがあり、久我さんは「学ぶ」チームで企画を担当しています。商品が売れる仕組みを考える担当、技術担当とチームを組み、学びの助けになるような中高生向けのサービスなどを作っています。

今年1月には、勉強アプリ「キャリーキャンパス」(iOS専用)を発表しました。端末のカメラでノートを撮影して、画像として取りこむことができます。赤で書いた文字を消すなど、受験勉強に役立つ機能もあります。

「ノートをもっと便利に使えるようにしようと、1年ほどかけて完成しました。大学時代にアルバイトしていた塾に通う生徒など、中高生にも見てもらい、『ここが使いづらい』など意見を取り入れました」と久我さんは話します。

コクヨでは、自分らしい生き方を実現する「探求学習」を応援するため、新しい事業作りに力を入れています。「例えば、学んだことをどう自分の将来につなげていくかといった分野で、中高生向けのイベントを開いています」

新規事業をてがけるコクヨ株式会社イノベーションセンターの久我一成さんの仕事を紹介した漫画

あゆみ

建築関係の仕事をする家族の影響で、小さいころからものづくりをするのが好きでした。中学時代は勉強が得意で周りに教えることも多かったのですが、高校ではサッカーに夢中になりテストで0点を取ったこともありました。

引退後に必死に勉強する中で、ペンによって書き心地が全然ちがうことに気がつき、ペンにこだわるようになりました。それ以来文具が好きで、就職活動をするときに、好きな文具の研究や開発ができるコクヨを選びました。

1990年
奈良県生まれ
2004年
奈良県立畝傍高校に進学。サッカーに夢中に。引退後は必死に勉強する
2009年
京都大学工学部に進学。当時から筆記具にこだわりがあった
2013年
京都大学大学院に進学。二酸化炭素の資源化について研究する
2015年
コクヨに入社。ペンケースの開発に2年間たずさわったのち、経営企画部門に異動する
やりがいや苦労

少しでも早く形にする

新しいことをゼロから始める仕事です。「社内でやったことがないことを実現するのは楽しいですが、やはり大変です」と話します。特に業務のスピードがなかなか出ないのが苦労する点です。「思いついてから形になるまでに1年かかっていたら、完成したときにはもう古い。少しでもスピードを出せる方法がないか、日々試行錯誤しています」

考えていたことが形になったときには達成感があり、やっていてよかったと感じるそうです。「メールなどで反応がもらえるのもすごくうれしいです。いつもワクワクしながら仕事をしています」

クローズアップ
新規事業をてがけるコクヨ株式会社イノベーションセンターの久我一成さんが会議中に使うメモ帳と3色ペン。「疑問や大切なところで色を変えてメモをしています」
会議中に使うメモ帳と3色ペン。「疑問や大切なところで色を変えてメモをしています」

2022.11.7付 朝日小学生新聞
構成・小勝千尋
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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