ゲームディレクター のしごと

2022.10.18 紹介します○○のしごと

コナミデジタルエンタテインメント「パワプロ2022」ディレクターでゲームディレクターの長澤祐介さん
入社以来たずさわる「パワプロ」のグッズと長澤祐介さん。左上の画像がパワプロのゲーム画面 ©Konami Digital Entertainment =コナミデジタルエンタテインメント提供
コナミデジタルエンタテインメント「パワプロ2022」ディレクターで、ゲームディレクターの長澤祐介さんの画像

長澤祐介さん

コナミデジタルエンタテインメント「パワプロ2022」ディレクター

現実と遊びのバランス考える

長澤さんは野球ゲームのシリーズ「パワフルプロ野球(パワプロ)」を手がけています。今月発売する「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」では、50人ほどの開発チームを率いました。

プロの選手のように「気持ちよく打ち、投げる」感覚を味わえるのが売りです。そのために選手の動き、球場の雰囲気、勝つための戦いかたなどはなるべく現実の野球に近づけています。

同時に、現実とはちがう「遊び」の要素も大切。最新作で追加した「パワパーク」モードには、回転ずしの皿を取って対戦相手を決めるアトラクションを取り入れました。

回転ずしのレーンが回り続けるように、いろいろなチームと際限なく対戦できるしくみです。企画を考えるときに冗談から出たアイデアですが、ゲームに慣れていない人も気軽に遊びやすくなると思い、採用しました。

こうして「リアル」と「ゲームらしさ」のバランスをとるのも長澤さんの仕事です。

開発したゲームがどう遊ばれているのかを調べるのも大切だといいます。SNSに書きこまれた意見やプレーの動画配信などはできる限りチェック。開発者たちも気づかなかった遊び方におどろくことが多いそうです。

コナミデジタルエンタテインメント「パワプロ2022」ディレクターで、ゲームディレクターの長澤祐介さんのおしごと紹介する4コマ漫画

あゆみ

小学生のころからゲーム好き。卒業文集に将来の夢をゲームプログラマーと書きました。高校生になると音楽のライブ活動にはまり、将来も音楽の仕事をしたいと考えました。そこで「プロになるなら1日10時間は練習しないと」と決意。3日ほどで挫折しました。

他に毎日やれることは何だろうと考えた時、子どものころの夢だったゲームのことが頭にうかびました。ゲームのプログラマーになるため、情報系の学部がある大学に進学。ゲームの開発も最初はプログラマーから仕事を始め、後にディレクターになりました。

1983年
兵庫県出身
2002年
兵庫県立星陵高校(神戸市)を卒業
2008年
同志社大学大学院(京都市)を修了し、コナミデジタルエンタテインメント(大阪市)にプログラマーとして入社
2013年
ディレクターとして働き始める
やりがいや苦労

購入者の声も聞き、アップデート

新作が発売されても仕事は終わりません。アップデートで新たに機能を追加する必要があるからです。パワプロで遊んでいる人の声も参考にしながら、作品をより良く「成長」させていきます。さらにプロ野球の将来のシーズンに備えて、次回作の開発も少しずつ始まります。気がぬけない毎日が続きます。

小学生のころからの趣味を仕事にできているのは「幸せ」だといいます。今も毎日のようにゲームを楽しんでいます。プレーして気づいたことを仕事に生かすとともに、夢中になるときの気持ちを忘れないようにもしています。

クローズアップ
ゲームディレクター長澤祐介さんが、チームの仲間と話すときにメモするホワイトボードと、気になったときすぐにゲームの動きを確認するゲーム機の画像
チームの仲間と話すときにメモするホワイトボードと、気になったときすぐにゲームの動きを確認するゲーム機

2022.4.18付 朝日小学生新聞
構成・松村大行
イラスト・たなかさゆり

毎週月曜連載中の「紹介します 〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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