銀行って窓口の奥はどうなっているの? 本当に大きな金庫があるの? 

2023.04.30 みんなの質問

しごとについての質問

「銀行って窓口の奥はどうなっているの? 本当に大きな金庫があるの? お金がたくさんあって、欲しくなったりしないの?」(9歳・女子)

児玉ひろ美(こだま ひろみ)さん

公立図書館司書とJPIC*読書アドバイザーのふたつの立場から子どもの読書推進活動を展開。幼稚園・保育園から中学生まで、お話し会やブックトークの実践とともに、成人への講座や講演は年100回を超える。近年は大学にて「児童文化」「絵本論」の講義を担当し、「2021・2022・2023年度ブックスタート赤ちゃん絵本 選考委員」でもある。著作に『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)等があり、雑誌やWEB等でも連載中。

*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団

実際にある銀行の支店を例に、たくさんの写真や図を用いた本をご紹介しましょう


『よくわかる銀行 仕事の内容から社会とのかかわりまで』

監修:戸谷圭子

出版社:PHP研究所

価格:3300円(税込)

よくぞ質問して下さいました! きっと誰もが知りたいと思いながらも、こんなことを聞いたら「笑われるかな?」と、聞くに聞けないことのような気がします。そう、銀行って窓口周辺よりも、その奥に大切なことがたくさんあるのかもしれませんね。


ここ数年はカードや電子マネーで買い物をする人が増え、実際に現金を扱うことは減っているようです。ならば、銀行は必要がなくなってしまうのでしょうか? いろいろ気になりますね。


『よくわかる銀行 仕事の内容から社会とのかかわりまで』は、銀行を「しくみ」「働く人」「世の中とのかかわり」の3つに大きく分け、基本的なことをわかりやすく紹介しています。銀行の仕事には大切な4つの役割があるそうです。それは、お金を ①預かったり、②動かしたり、③貸したり、④備えたり、増やしたりすること。実際にある銀行の支店を例に、たくさんの写真や図を用いて丁寧に説明してあり、銀行や銀行員が信頼できる「お金のエキスパート」であることがわかります。


ほかにも、なぜ銀行は3時に閉まるのか? もし、銀行強盗に襲われたら? 銀行員になるには? などに答えるページや、銀行にある大きな金庫の紹介もあり、楽しく読むことができます。

必要な人に必要なお金が届く仕組みは、銀行だけではなく、世の中全体で考えたいものです


『おやこで話す 子どもの貧困 だれも見すてない国をつくる』

著者:阿部彩

イラスト:斉藤みお

出版社:日本能率協会マネジメントセンター

価格:1650円(税込)

電子書籍あり

銀行には、人々が安心して暮らせるよう、国と協力をしてお金を動かす役割もあります。でも、必要な人に必要なお金が届く仕組みは、銀行だけではなく、世の中全体で考えなければなりません。


人が生きていくためには、お金が必要です。でも、なかにはお金がない人もいます。お金はどこから来るのでしょう? 一生懸命働いてもお金をたくさんはもらえない人、病気やけがで働くことが難しい人もいます。お金がなくて困っていることを「貧困(ひんこん)」と言い、実はとても身近な問題です。日本が抱えている問題の中でも、子どもの貧困は一番大きな問題かもしれません。


『おやこで話す 子どもの貧困 だれも見すてない国をつくる』は、子どもにも貧困がわかるように書かれた珍しい本です。


貧困を理解するのは簡単なことではありませんが、目をそむけることなく話し合ってみたいとき、きっと役に立つ一冊だと思います。