しごとについての質問
「銀行って窓口の奥はどうなっているの? 本当に大きな金庫があるの? お金がたくさんあって、欲しくなったりしないの?」(9歳・女子)
児玉ひろ美(こだま ひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
実際にある銀行の支店を例に、たくさんの写真や図を用いた本をご紹介しましょう
『よくわかる銀行 仕事の内容から社会とのかかわりまで』
監修:戸谷圭子
出版社:PHP研究所
価格:3300円(税込)
よくぞ質問して下さいました! きっと誰もが知りたいと思いながらも、こんなことを聞いたら「笑われるかな?」と、聞くに聞けないことのような気がします。そう、銀行って窓口周辺よりも、その奥に大切なことがたくさんあるのかもしれませんね。
ここ数年はカードや電子マネーで買い物をする人が増え、実際に現金を扱うことは減っているようです。ならば、銀行は必要がなくなってしまうのでしょうか? いろいろ気になりますね。
『よくわかる銀行 仕事の内容から社会とのかかわりまで』は、銀行を「しくみ」「働く人」「世の中とのかかわり」の3つに大きく分け、基本的なことをわかりやすく紹介しています。銀行の仕事には大切な4つの役割があるそうです。それは、お金を ①預かったり、②動かしたり、③貸したり、④備えたり、増やしたりすること。実際にある銀行の支店を例に、たくさんの写真や図を用いて丁寧に説明してあり、銀行や銀行員が信頼できる「お金のエキスパート」であることがわかります。
ほかにも、なぜ銀行は3時に閉まるのか? もし、銀行強盗に襲われたら? 銀行員になるには? などに答えるページや、銀行にある大きな金庫の紹介もあり、楽しく読むことができます。
必要な人に必要なお金が届く仕組みは、銀行だけではなく、世の中全体で考えたいものです
『おやこで話す 子どもの貧困 だれも見すてない国をつくる』
著者:阿部彩
イラスト:斉藤みお
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
価格:1650円(税込)
電子書籍あり
銀行には、人々が安心して暮らせるよう、国と協力をしてお金を動かす役割もあります。でも、必要な人に必要なお金が届く仕組みは、銀行だけではなく、世の中全体で考えなければなりません。
人が生きていくためには、お金が必要です。でも、なかにはお金がない人もいます。お金はどこから来るのでしょう? 一生懸命働いてもお金をたくさんはもらえない人、病気やけがで働くことが難しい人もいます。お金がなくて困っていることを「貧困(ひんこん)」と言い、実はとても身近な問題です。日本が抱えている問題の中でも、子どもの貧困は一番大きな問題かもしれません。
『おやこで話す 子どもの貧困 だれも見すてない国をつくる』は、子どもにも貧困がわかるように書かれた珍しい本です。
貧困を理解するのは簡単なことではありませんが、目をそむけることなく話し合ってみたいとき、きっと役に立つ一冊だと思います。