観光農園経営者(かんこうのうえんけいえいしゃ)
農家の中にも、いろいろな仕事があるよ。みんなは、いちご狩りや桃狩りなどの果物狩りに参加したことはあるかな? 観光客向けに、農業にかかわる体験ができる農園を観光農園というよ。観光農園の経営者はどんなお仕事をしているんだろう?(写真提供/中込農園)
お客さんは産地でおいしい果物を食べられ、農家は地域活性化に貢献できる
観光農園は、農作物の地産地消を進めながら、地域の活性化にもつながる事業として注目されています。普通の農家や果樹園では、収穫した作物を出荷・販売する形が中心ですが、観光農園は果物狩りや鑑賞の場になることで、多くの人へ体験サービスを提供しています。
桃狩りを楽しむお客さんたち
日本の果物は手間暇をかけて作られており、品質が高く海外でも人気
観光農園には、来場者がお金を払って、作物を一から育てる体験をする「栽培体験型」、果物狩りなどの「収穫体験型」、園内で育てている花や観葉植物を鑑賞する「鑑賞型」、これらの要素を合わせた「複合型」の4つがあります。
観光農園の経営では、作物の質の向上はもちろん、他の観光農園とは異なる経営的な視点も必要です。
例えば、バーベキュー施設を作る、その地域でとれた素材を使った農家レストランを併設する、英語が得意な場合は英語でネットのサイトを作る、海外からの訪問客に農作業を手伝ってもらいながら日本の文化を体験するファームステイを受け入れるなど。いずれも来場者が増えるように、新たなアイデアや特技を農園の経営に生かしています。
経営者が農業も行う場合と、経営者はお客さんの対応など経営面を中心に担当して、農作業は従業員や共同経営者が行う場合など農園によってさまざまです。農業人口は年々減ってきていて、きつい、大変、とのイメージもありますが、農業体験をきっかけに豊かな自然環境を求めて都会や海外から移住して農業を始める人も増えています。
どうやったら観光農園経営者になれるの?
農業系の高校や大学、農業大学校、農園などで栽培技術を学び、習得することと、作物やサービスの売り方の勉強が必要です。経営を軌道に乗せるためには人と違う発想力や行動力も求められます。農業系の高校や大学で学ぶことは必ずしも必要ではありませんが、知識や理論は農業をするうえで力になってくれるでしょう。