しごとについての質問
法律の世界って、弁護士以外にどんな仕事があるの?
「これも学習マンガだ!」山内康裕 (やまうち やすひろ)さん
※「これも学習マンガだ!」公式WEBサイト https://gakushumanga.jp/
「法曹三者」と呼ばれる裁判官、検察官、弁護士といった仕事があります
『リーガルエッグ』(全3巻)
原作:河本ほむら
作画:木綿八十子
出版社:講談社
価格:704円(税込)
電子書籍のみ
法律に関わる仕事には弁護士や司法書士、税理士などさまざまな分野があります。今回は「法曹三者」と呼ばれる裁判官、検察官、弁護士を中心とした、おすすめのマンガ作品をご紹介します。
法曹三者になるためには、日本の最難関国家試験のひとつ「司法試験」に合格する必要がありますが、この司法試験に合格しても、すぐに法律家になれるわけではありません。「司法修習」という研修を1年間受ける必要があるのです。
『リーガルエッグ』は、司法修習生たちが主人公のマンガで、法律や裁判に関わる仕事をイメージするにはピッタリの作品です。
司法修習では、将来何を目指しているのかにかかわらず、裁判官、検察官、弁護士全ての修習を受けます。彼・彼女らの日常や、修習期間に具体的にどのようなことをするのかなど、修習生の目線から司法修習や司法のプロのことがわかります。一つひとつの事件に向き合う過酷さや覚悟を感じられる作品です。
裁判官は、社会秩序を維持する上で、重要な役割を担う「法の番人」です
『イチケイのカラス』(全4巻)
著者:浅見理都
取材協力・法律監修:櫻井光政(桜丘法律事務所) 片田真志(古川・片田総合法律事務所)
出版社:講談社
価格:715円(税込)
電子書籍あり
『イチケイのカラス』は、地方裁判所の第一刑事部に異動した裁判官が主人公の作品です。弁護士や検察官が主役のドラマやマンガは多くありますが、裁判官が主役の作品はあまり多くはありません。裁判官のお仕事を知るのにぴったりの作品です。
原告と被告が私人と私人の立場で争う民事裁判とは異なり、刑事事件の裁判官は、検察官と被告人(弁護人)の両方の主張を聞いて、事件や事故がどうして起きたのか、真実を明らかにして、刑罰や賠償金を決めて判決を下します。裁判官は、社会秩序を維持する上で、重要な役割を担うため「法の番人」と呼ばれています。
『イチケイのカラス』の主人公の坂間真平は、「THE裁判官」と周りから揶揄(やゆ)されるほど、生真面目な人柄。元弁護士の異色の経歴を持つ入間みちおや、有罪率99.9パーセントと言われる日本の刑事裁判において、30件ほどの無罪判決に関わっている駒沢義男と出会い、さまざまな仕事を経験していく中で、変化していく様子が描かれています。
法律や裁判に関わる仕事は、人の一生を左右することも少なくありません。社会の秩序を守るために、必要不可欠な重要な仕事です。仕事に就くまでも、就いてからも大変な道のりですが、いろいろなことを勉強したり、調べたりしながら、夢に向かって頑張ってくださいね。