しごとについての質問
「筋力をつけてムキムキになって、将来身体を使う仕事をしたい。そういう職業はありますか?」(8歳・女子)
児玉ひろ美(こだま ひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
「筋トレは人生を楽しくする!」をモットーにしている大人がいます
『大人も気づいていない48の大切なこと』
著者:Testosterone
出版社:学研プラス
価格:1430円(税込)
「筋力をつけて筋力を使う」仕事をしたい。かなり絞り込んだ目標ですね。まず仕事を考えるうえで大切なのは、鍛えた筋力を使って、あなた自身がどんな生き方をしたいか、どんな人になりたいか、です。そこで、8歳のあなたを応援し、一緒に考えることができる本を探してみました。
『大人も気づいていない48の大切なこと』の著者は、悩みを抱える大人にポジティブ発信で元気や勇気を与え、Twitterのフォロワーが138万人(出版時)というTestosterone(テストステロン)さん。筋トレ伝道師です。
Testosteroneさんは学生時代110キロを超える肥満体でしたが、アメリカ留学中に筋トレと出会ったことで、「人生は、考えかたのちょっとしたヒントを得ることで劇的に変わる」と気づきます。筋肉を鍛えたことが、結果として人生の選択肢を増やしたのです。
本書は、悩みを抱える10代に向けて「大人も気づいていない、人生を楽しむためのコツ」をまとめたもの。若者が少しでも心をラクにして自分らしく生きられるよう、48のテーマが作られています。文字は大きく、漢字全てにルビがあったり、ムキムキでコミカルなキャラクターが登場したりして、本が苦手な人にも読みやすくつくられています。「筋トレは人生を楽しくする!」をモットーにしているTestosteroneさんの考えから、あなたらしい生き方を探すヒントが見つかるかもしれません。
今なお優れたリーダーとして世界中から尊敬されるシャクルトンとは
『シャクルトンの大漂流』
著者:ウィリアム・グリル
訳:千葉茂樹
出版社:岩波書店
価格:2310円(税込)
では、どんな人になりたいか?のヒントとして、没後100年を迎えるイギリスの探検家アーネスト・シャクルトン(1874~1922)の実話に基づいた絵本『シャクルトンの大漂流』をご紹介しましょう。
想像してみてください。スマホをはじめとする通信機能が一切ない時代のことを。南極大陸横断を目指した船が沈没し、地球上で最も過酷な環境と言われる南極にシャクルトン隊28人の男たちはとり残されます。考えただけでもゾッとしますね。
ところが、リーダーのシャクルトンは隊員全員を連れて生還します。いくら体自慢の屈強な男たちの集団とはいえ、極限の状況下で誰一人欠くことなく連れ帰り、今なお優れたリーダーとして世界中から尊敬されるシャクルトンとは、どんな人物なのでしょう? それはこの絵本が教えてくれますよ。