ラインマン
みんなは、電気がどこからやってくるか知っているかな? 電気は発電所でつくられ、送電線を通って変電所へ送られる。各地の変電所で効率のよい電圧に変換されて、電柱の上にある変圧器を通り、各家庭へ届けられるんだ。この送電線の鉄塔建設や電線点検をしているのがラインマンたちだよ。(写真提供/新興電設株式会社)
送電線や鉄塔を作る人たち。100mを超える鉄塔での作業も
日常生活に必要な電気。この電気の通り道となる、送電線を支える鉄塔の建設と電線の点検がラインマンの仕事です。鉄塔を組み立てて、鉄塔と鉄塔の間に電線を張る工事の設計と施工もしています。点検や補修作業であれば5~10人、電線を張るなど大きな仕事であれば15~30人のチームで作業にあたります。
全国各地に電気を送るため、山の中や海岸沿いから市街地まで、送電線を必要とする場所がラインマンの職場です。鉄塔は高いものだと100mを超えるものも。 高い場所での作業が中心なので、作業にあたる者同士でお互いを監視し、声をかけ合いながら安全に気をつけます。
「無胴綱(むどうづな・体に装着した墜落制止用器具につないだロープが、人と鉄塔などの構造物と連結されていない状態)=には絶対にならない」「必ず二重防護での作業を実施する」など、作業する時はお互いに確認をしながら安全に気をつけている
ラインマンは、専門知識と特殊な技術が必要な仕事です。入社してから送電線にかかわる作業に特化した研修を受けます。具体的には、送電工事の基本ルールについて、感電について、「墜落防止装備品」の扱い方などを学び、電線乗り出し訓練や研修用に建てられた15m程の鉄塔での研修もおこないます。
一人ひとりに合ったペースで経験豊富な職人から1対1での指導を経て、実際の現場さながらの訓練を繰り返し行い技術を身につけます。研修を終えて仕事をするようになってからも、さらに研修を受けながら常に新しい技術や知識を学んでいます。職人の技術を判断する技能級があり、経験に応じて認定を受けていきます。
高い場所にいると、周囲の方から手を振られることもあるのがうれしい瞬間。ラインマンが建設・メンテナンスをしなければ電気が皆さんの元へ届かないというプライドを持ちながら、仕事に励んでいます。
どうしたらラインマンになれるの?
何よりも、やる気と体力が必要です。会社に入ってから研修を通して知識・技能を身につけます。出身校は工業科卒の人の他に普通科、農業科、園芸科出身などバラエティーに満ちた人たちがいます。