空港の入国審査官(くうこうのにゅうこくしんさかん)
外国人が飛行機に乗って外国から日本に来たときは、空港の窓口で審査を受けるんだ。パスポートを調べられ、「観光ですか?」といった質問をされるんだって。審査を担当して、パスポートにスタンプ(証印)を「バン!」と押しているのが入国審査官だよ。国際色豊かな職場で、日本国内の秩序と安全を守る責任ある仕事だ。(写真提供/出入国在留管理庁)
空港窓口で不法入国などを防ぐ国家公務員
全国の空港や港で、日本に入国する外国人のパスポートやビザ(査証)、目的などを審査し、入国してよいかを判断をするのが入国審査官です。
たとえば、日本に来る外国人の中には、観光をするために来たなど、うその目的を言って入国し、拳銃や麻薬の売買をしたり、日本の法律に違反して働いたりする人がいます。数分の間に、パスポートの顔写真と持ち主が同じか、パスポートのページが一部なくなっていないかなどを細かくチェックし、その人の様子も注意深く観察。ソワソワするしぐさや行動なども見て、怪しいと思ったら質問をするなどして、犯罪者の入国や不法入国を未然に防いでいます。
とはいえ大半が、観光や仕事目的などの歓迎すべき人たちです。さまざまな国の人とあいさつや話をすることで、多種多様な文化を知ることができます。「日本でおすすめの観光地は?」などと質問されることもあるので、東京だと浅草の雷門や渋谷のスクランブル交差点など、日本らしいスポットを案内。言葉が通じない国の人には、通訳を介したり、その国の言葉で書かれた「指さし会話帳」を使って会話したりする工夫をしています。
職場では、さまざまな研修が用意されています。英語を中心とした語学はもちろん、各国の情勢や文化・宗教を勉強するほか、偽造パスポートや偽物の書類を見抜くために、偽変造(ぎへんぞう)文書に関する学習も欠かしません。
大きい空港は24時間開いているため、休憩や仮眠をとりながら朝9時30分から翌朝9時30分まで勤務することも。体力や集中力を必要とするハードな勤務の中で、日本と世界を結び、人々の円滑な国際交流に貢献しています。
どうしたら入国審査官になれるの?
国家公務員試験に合格し、各地方出入国在留管理局の面接を受けます。そこで出入国在留管理庁職員として採用され、地方出入国在留管理局や出張所に勤務します。