コ・ドライバー
ラリーは、一般道をラリーカーが駆け抜ける自動車競技だ。2~4日ほどかけて走りながらタイムを競い、最高速度は200km! 舗装路、砂利道、砂道、雪道、氷った道などを、ときには車ごとジャンプして駆け抜ける迫力が魅力なんだって。助手席にいるのが、コ・ドライバーだよ。「コ」とは、「補助・副」の意味で、ドライバーを助ける役割なんだって。(写真提供/ラリードライバー 川名賢さん)
ドライバーの隣で道案内をしながら勝利を目指す
コ・ドライバーの仕事は、ドライバーがスムーズに走れるように道案内をすることです。
まずはラリー前の下準備から始めます。スケジュールの把握、ラリーカーの燃料の計算、ラリー当日のドライバーの起床時間や会場へ向かう出発時間なども管理します。
本番前日にはコースの下見を行い、コーナーを曲がる角度やストレート距離をメモした「ペースノート」をドライバーと一緒に作成。本番では、コ・ドライバーがペースノートを読み上げ、ドライバーはそれを信じてラリーカーをエンジン全開で走らせます。
ペースノートは、コーナーの曲がる方向、コーナーとコーナー間の距離、路面状況、進入スピード、選択ギアなどが書かれている。「50 R3 20 L1(ごじゅう みぎさん にじゅう ひだりいち)」のように、ノートを読み上げる
大切なのは、ペースノートを、ドライバーが記憶できる量だけ絶妙なタイミングで読み上げること。たとえば、ハイスピードで走っているとき、少し先の曲がり角や狭い道幅などがペースノートから分かるので、ブレーキをかけるタイミングを早めに指示出しして、クラッシュやコースアウトの危険を回避しています。
ラリー中、パンクやマシントラブルが起きたときが、腕の見せどころ。タイヤ交換やエンジニアへの連絡など、タイムロスを最小限に抑える指示ができるかどうかが、勝負の行方を大きく左右します。
走行中は急な加速・減速やコーナリングで大きく揺さぶられるため、車酔いをすることも。強い体づくりのため、多くのコ・ドライバーが体力トレーニングをしています。また、常に緊張状態のドライバーをリラックスさせることは難しく、コミュニケーション能力も磨いてメンタルコントロールに努めています。
コンマ何秒を争う世界でドライバーをサポートし続け、二人三脚で目指す勝利。結果を残して称賛されるのはドライバーだけですが、その傍らには、必ずコ・ドライバーがいるのです。
どうしたらコ・ドライバーになれるの?
ラリーは1台ずつ1分おきにスタートし、合計タイムが一番速かった人が勝つ競技。基本的に追い抜きはない
車の免許、JAFのB級ライセンスが必要。サラリーマンをしながら副業にする人が多いほか、モータースポーツを行う企業に入社する方法も。