サイエンス(科学・かがく)コミュニケーター
科学のテーマは、宇宙、地球、生命、環境、エネルギーなど幅広いね。そんな科学の知識や技術を科学館などで体感させてくれるのが、サイエンス(科学)コミュニケーターだ。写真は、「DNA(遺伝子の本体)は細胞のどこにあるか」について解説しているところだよ。訪れる人に、新しい発見や面白さといった“お土産”を持ち帰ってほしいんだって。(写真提供/日本科学未来館)
解説や実験、情報発信などで、科学と社会をつなぐ
サイエンス(科学)コミュニケーターの仕事は、一般の人に科学的な視点をもってもらえるよう対話を生み出すことです。具体的には、科学館や博物館・科学技術イベントでの解説や実演、展示物やイベントの企画と制作、企業との連携、海外での学会発表などのほか、新聞や雑誌・ウェブへの寄稿、テレビやラジオへの出演で情報発信もしています。
展示フロアでは来館者に積極的に話しかけ、補足情報を伝える。さまざまな話題に対応できるように、最新知識の勉強も欠かさない
中でもイベントの企画は難しく、わずか15分の実演を数カ月悩んで準備することもあります。一方でさまざまな分野の研究者と交流でき、研究施設へ取材に行くこともあれば、研究者と一緒に授業をすることも。ノーベル賞受賞者のような第一線で活躍する研究者と仕事をするときは、胸が高鳴ります。
研究者とともに「ロボットと一緒におやつを食べたら、一人で食べるより楽しいの?」というような実験をすることもあります。子どもも大人も「スゴい」「おもしろい」と未来へのワクワクを膨らませられるようにするのが大きな仕事です。同時に、実験を行うロボット研究者が子どもたちの率直な意見や感想を引き出しやすいように、実験の場づくりにもかなり頭を使います。
科学はまだ解明できないことが圧倒的に多く、子どもたちが将来、長年のナゾを発見するかもしれません。壮大な可能性を秘めた科学に興味を持つきっかけがつかめるように、訪れる人たちに科学のタネをまいています。
どうしたらサイエンス(科学)コミュニケーターになれるの?
一般的に学歴は問いませんが、修士以上の学歴が必要な施設も。専従、兼業、ボランティアなどさまざまな働き方があり、3~5年くらいの契約で採用されるケースがあります。その後、同じ仕事を続ける、研究機関や大学などで研究戦略や広報活動をする、研究者や教師になる、一般企業に転職するなど、進路はさまざまです。