しごとについての質問
「アナウンサーになりたいです。どうしたらなれますか?」(12歳・女子)
児玉ひろ美(こだまひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
世界への視野を広げてください
『目で見てかんじて 世界がみえてくる絵本』
著者:ロマナ・ロマニーシン アンドリー・レシヴ
訳:広松由希子
出版社:河出書房新社
価格:2000円(税別)
アナウンサーはテレビやイベントなどでは欠かせない存在で、非常に華やかで魅力のあふれる仕事ですね。昨今はWEBなども含め活躍の場も多様化し、以前より活動のチャンスが広がり、多くの能力が求められているようです。
アナウンサーにとって、声や言葉のトレーニングはもちろん大切ですが、それ以前に物事をどう見るかはとても重要なことです。自分の主観や思いに流されず、客観的かつ多方面から、事実を見る力を養わねばなりません。
こんな絵本をご存じですか? 『目で見てかんじて 世界がみえてくる絵本』。蛍光色が刺激的な、ウクライナのデュオによるユニークで美しい絵本です。英題は『I See That』。「見ること」について、人間の目の働き、動物や昆虫の視線、錯覚、視覚を補う道具、点字、目に見えないものの存在などを、グラフィックで大胆に表現し、世界への視野を広げてくれます。同じデュオによる、音の世界を図解した『うるさく、しずかに、ひそひそと』とは姉妹編です。ぜひ、あわせてご覧ください。どちらの作品もビッグバンを思わせるシーンから始まり、世界を縦横無尽に広げてくれます。
説得力のある大人の会話を身につけましょう
『形容詞を使わない 大人の文章表現力』
著者:石黒 圭
出版社:日本実業出版社
価格:1400円(税別)
当然のことですが、テレビ番組では、アナウンサーをはじめ、俳優、歌手、タレント、芸人と、さまざまな方が言葉を発します。そんな時、短いコメントでもキラリと輝き、説得力のある方とそうではない方、いらっしゃいますね。
違いは何だろうと、ずっと気になっていましたが、どうやら、その違いは、「すごい」「やばい」などの、形容詞の多用にあるようです。ではどうすれば、説得力のある大人の文章(会話)が紡(つむ)げるのか?
『形容詞を使わない 大人の文章表現力』によると、表現のひと手間が必要で、お料理のように“食べられれば良いとばかりにではなく、器や盛り付けに気を配りおいしそうにして見せる”ことが必要とのこと。具体例も多く、横書きで気軽に読める1冊です。