めずらしい仕事って、どんなものがあるの?

2020.06.05 おしごと映画

しごとについての質問

「人と違う仕事がしてみたい。ちょっとめずらしい仕事ってありますか?」(14歳・女子)

中山治美(なかやまはるみ)さん 

スポーツ新聞記者を経て、フリーの映画ジャーナリストに。映画サイト「シネマトゥデイ」ほか、多数の雑誌で連載。世界の撮影スタジオ、映画祭を取材中。

時代や国によって生まれた仕事があります


『みとりし』

監督:白羽弥仁

出演:榎木孝明、村上穂乃佳、高崎翔太

2020年6月3日DVD発売・レンタル開始

発売元 :アイエス・フィールド

販売元 :ハピネット・メディアマーケティング

価格 :3800円 (税別)

©2019「みとりし」製作委員会 

『めぐり逢わせのお弁当』

監督:リテーシュ・バトラ

出演:イルファン・カーン、ニムラト・カウル

Blu-ray&DVD発売中

発売・販売元:東宝

働くことへの好奇心とロマンをお持ちなのですね。


めずらしい仕事、ございます。映画のタイトルにもなっている『みとりし』です。正式には「看取り士」。読んで字のごとく人の死を看取る仕事です。


となると、2009年に米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』を連想する人も多いでしょう。『おくりびと』は、遺族や友人たちが故人と最後のお別れをする際に、遺体の体裁を整える納棺師の話です。看取り士は、死を迎えるまでが仕事。余命宣告を受けた方が本人の希望するカタチで旅立てるように寄り添い、サポートします。2012年に創設された一般社団法人「日本看取り士会」が養成講座から資格認定、派遣サービスを行っており、今注目されている仕事です。代表理事の柴田久美子さんの体験を原案にしているので、映画を見ると仕事内容が具体的に分かると思います。 


死というのは、家族に見守られながら病院のベッドで迎えるのが一般的かなと思っていたのですが、今はそればかりではないようです。現代を象徴しているのが、劇中、東京で仕事をしている息子に代わって、ひとり暮らしをしている父親のケアを依頼されるという例です。しばしばニュースで報じられる独居老人の孤独死を想像し、胸がギュッと締め付けられます。また、若くしてガンで旅立たなければならなくなった母親のために、子どもたちと一緒にすてきなお別れの時間をつくろうとするエピソードも登場します。


近年、死を目前にした人の残された時間を、幸せに過ごしてもらおうという思いが高まっていますが、その中で必要とされる職種だから生まれたのだということが分かります。いずれにしても人の死に向き合うのですから、興味本位だけでは務まらない、とても尊い仕事です。


もう一つ紹介するのが、映画『めぐり逢わせのお弁当』に登場する、インドにしかないめずらしい職業です。


舞台はインド第2の都市ムンバイ。夫に作ったお弁当が、間違って他の人に届けられたことがきっかけで始まる専業主婦イラと、妻に先立たれたサージャンの手紙の交流を描いた人間ドラマです。このお弁当配達人ダッバーワーラーがすごい! 家庭で調理した弁当を個々に集めて、各オフィスに届けます。その数、1日約20万個。映画ではミスを犯しますが、本当はほぼ確実に、間違いなくランチタイムに届けるのだそう。


家庭のお弁当を届ける需要は日本であるの?とか、そもそも自分でお弁当を持っていけば良いじゃない?という疑問はあります。でも、新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛や人との接触を控えるようになり、配送サービスの利用者が増えたことで今後、全く新しい配送方法にビジネスチャンスがあるかもしれません。


あなたが社会に出るまではまだ少し時間があります。数年前には珍しかったユーチューバーが、あっという間にメジャーになる時代です。今のうちから社会の流れをよーく見守り、知識を深めて、あなたの未来がより良きものになるような仕事をぜひ見つけてくださいね。