将来何になりたいかわからない。進路ってどう選ぶの?

2020.02.28 おしごとBOOK

しごとについての質問

「まだ将来、何になりたいかわからない。そのための学校の進路や大学の学部ってどう選べばいいの?」(15歳・男子)

児玉ひろ美(こだまひろみ)さん

公共図書館司書、JPIC(出版文化産業振興財団)読書アドバイザーの官民両方の視線から子どもの読書推進活動を展開。幼稚園・保育園から中学生までを対象にしたお話し会、ブックトークの実践とともに、教員や一般成人への講座や講演も多数。鎌倉女子大学短期学部初等科教育学科非常勤講師。新渡戸文化短期大学生活学科非常勤講師。小学館集英社プロダクション教育アドバイザー。

将来の方向や目的地=進路 を考えるのに、職の現場を知ろう


『オレたちの明日に向かって』

著者:八束澄子

出版社:ポプラ社

価格:1400円(税別)

将来何になりたいかわからない。そう思っている中学生は決して少なくないと思います。でも、その段階で学部を選ぶというのは、行き先も方角も考えず、電車や飛行機に飛び乗ってしまうようなもの。そう、学部を選ぶためには、まず将来の方向や目的地=進路を考える必要があるのです。職場体験はそのよいきっかけではないでしょうか?


『オレたちの明日に向かって』の主人公は、憧れ女子のゆれるポニーテールを見ることだけが楽しみのイケテナイ中学2年・花岡勇気。彼が総合学習のジョブトレーニングに選んだ職場は、保険代理店の今井さんのところ。以前から今井さんには、家族の車の保険屋さんとしてお世話になっていましたが、自分の将来に保険代理業を考えたことはなく、「なんとなく」選んだ職場でした。


ところが、事故の原因を認めない偏屈な老人、不自然な連続事故、身勝手な死亡事故の加害者、父親に当たり屋を強要される少年……。3日間のジョブトレーニングで見えてきたのは、良くも悪くもむき出しの人間。今井さんは「人を生かす保険をやりたいと思った」。そう言って、誠実かつ大胆にむき出しの人間を支えていたのです。そして勇気自身も、自分の存在が人を励ましたりできることを知り、人を支える仕事に喜びを見いだします。勇気は具体的な職業がまだわからずとも、進む方向は見えてきました。

具体的なことがわからなくても、心が動くキーワードを探してみよう


『大人になったらしたい仕事 「好き」を仕事にした35人の先輩たち』全3巻

著者:朝日中高生新聞編集部

出版社:朝日学生新聞社

価格:各1500円(税別)

『大人になったらしたい仕事 「好き」を仕事にした35人の先輩たち』1~3巻は、サブタイトルにあるように、「好き」なことから将来の仕事を探すための3冊です。たとえば第2巻の目次には「第1章 自然や科学が好き」「第2章 動物や虫が好き」「第3章 のりものが好き」。そして、『オレたちの明日に向かって』の主人公勇気君であれば「第9章 人の役に立つのが好き」。


ページを開くと「国家公務員」「ユニセフ職員」に始まり「ベンチャーキャピタリスト」という聞きなれない職業まであります。実際にその仕事についている先輩の職場写真と業務の説明、一日の様子、仕事の三カ条、仕事に就くまでの経歴、学校や資格のこと、学費や経費まで。3冊で計105人の具体例が掲載されています。


ほかにも、おいしいものが好き、本を読むのが好き、人と話すのが好きなど、きっとあなたの心が動くキーワードがあることでしょう。