しごとについての質問
「会社員じゃなくて仕事をしている人は、どこからお金をもらってるの?」(12歳・男子)
土井英司(どいえいじ)さん
フリーエージェントたちは、プロジェクトごとの報酬を受けている
『フリーエージェント社会の到来 新装版』
著者:ダニエル・ピンク
序文:玄田有史
訳:池村千秋
出版社:ダイヤモンド社
価格:1800円(税別)
日本では、学校を卒業した人は試験を受けて「会社」に入るのが普通だけれど、アメリカでは既に2002年当時、4人に1人が「フリーエージェント」といって独立して働くスタイルを取っていた。
『フリーエージェント社会の到来 新装版』は、アメリカを代表するエッセイストのダニエル・ピンクが、そんなフリーエージェントたちに取材することで、生活実態を明らかにしたものだ。
実は、われわれが当たり前だと思っている「入学→就職→定年→老後」というシステムは、最近になって発明されたもの。今は人生100年時代と言われているから、65歳定年の企業のシステムでは、一生生きていくのは難しくなっているんだ。かといって、大げさな起業をするのはリスクがある。そこでフリーエージェントが注目されているということになるね。彼らは一つの会社じゃなく、いろんな会社から報酬をもらってプロジェクト単位で仕事をしているんだ。
一人でも、多額のお金を集める仕組みを使っている人もいる
『新世界』
著者:西野亮廣
出版社:KADOKAWA
価格:1389円(税別)
ただ、フリーエージェントには一般に、大きな額のお金や組織がない。体を壊したら働けなくなるリスクを負っている。
そのデメリットを克服するために読んでおきたいのが、キングコング西野亮廣さんの、『新世界』だ。この本には、一人でも多額のお金が集められるクラウドファンディングの仕組みや、ネットワークを通じて人を集める方法、オンラインサロン(有料の会員制のコミュニティー)を立ち上げ、会費を活動資金に充てWEBサービスやエンターテインメントを作る方法など、フリーエージェントのデメリットを補う稼ぎ方がたくさん書かれている。
今はYouTuberが人気を集めているけれど、あれも一つのフリーエージェントの形だ。有名になることで得られるお金(広告料、ファングッズの販売など)を、直接手に入れられるから、メリットが大きい。キミたちが社会人になる頃は、就職しないでフリーエージェントになるのが当たり前になっているかもしれないね。