パソコンがなかった時代の仕事を想像してみたら

2019.08.28 おしごと映画

しごとについての質問

パソコンを使いこなせるってかっこいい!どんな仕事がありますか?(10歳・女子)

<答えてくれる人>中山治美(なかやま はるみ)さん

スポーツ新聞記者を経て、フリーの映画ジャーナリストに。映画サイト「シネマトゥデイ」ほか、多数の雑誌で連載。世界の撮影スタジオ、映画祭を取材中。

どの仕事でも、パソコンを使いこなさなければならない時代です


『交渉人 真下正義』
発売元:フジテレビジョン
販売元:ポニーキャニオン
価格:DVD 4500円(税別)
©2005フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT

『ドリーム』
発売元・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
価格:2枚組Blu-ray&DVD 3990円(税別)
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

 

はい!それは記者です。と、胸を張って自分の職業を推薦したいところですが……、質問の答えとしては芸がないので、今回は控えます。
そもそも今はAI(人工知能)の研究が進み、自動運転する車が開発されている時代です。
むしろどの仕事に就くにしても、パソコンを使いこなさなければならないと言っても過言ではないでしょう。
例えば『交渉人 真下正義』を見てみましょう。
メーンとなるのが、日頃めったにみられない地下鉄の総合指令所。実際に神戸の市営地下鉄の指令所をモデルにセットが作られたそうです。
映画は暴走列車が縦横無尽に地下鉄網を走り回るという緊急事態が発生しているワケですが、日頃からこの地下鉄の心臓部とも言える総合指令所のパソコン上で、運行が管理されているのですね。
また本作では、交渉課準備室のメンバーも見事にパソコンを使いこなしています。
彼らは地下鉄の運行システムに侵入できる可能性のある取引会社に関するデータなどから犯人像を絞り込んでいきます。これはプロファイリングという捜査方法の一つですが、本作のように企業や組織のコンピュータシステムに勝手に入り込んで悪事をはたらくサイバー攻撃が増えているので、刑事になるにも最低限のパソコンの知識がなければ、現代の犯罪に立ち向かえないようになって来ています。
ところでパソコンがなかった時代を想像したことはありますか?
アメリカがソビエト連邦(現在のロシア)と、どちらが人類をはじめて宇宙に送るのか?を競っていた時代のNASA(アメリカ航空宇宙局)を描いた映画『ドリーム』で、驚きの事実が広く知られることとなりました。
1960年代のアメリカでは人種差別が色濃く残っていたのですが、黒人女性たちが「人間コンピューター」として働いていたのです。数学分野でずば抜けた才能を見込まれての採用ですが、何の目的のための計算かは彼女たちにはほとんど知らされていなかったようです。
しかしやがてコンピューターの時代がやってきます。
NASAでも巨大なコンピューターが導入され、彼女たちの仕事が奪われる可能性が出てきました。ところが、その最新鋭のコンピューターを使いこなせる人が誰もいなかった。
そこに担当者として名乗りを上げたのが、計算グループのリーダー格だったドロシーでした。彼女は時代の先を読み、ひそかにコンピュータ・プログラミングを独学で学んでいたのです。
モデルとなった女性は実際にNASAを勤め上げ、多大な功績を残しています。「知識は力なり」ということわざ通りの人生を歩んでいます。
この2つの映画は大切なことを教えてくれます。
パソコンを使いこなせているからカッコいいのではなく、使っている人の生き方や活用法がかっこいいから、そう見えるのであると。
近い将来は、もっともっとパソコンが活躍する仕事が増えると思います。『ドリーム』のドロシーのように先見の明を持って行動していると、就職を考えた時にきっと職業の選択肢が増えると思いますよ。