つらい仕事を体験した人しか知らない絶景がある?

2019.08.28 おしごと映画

しごとについての質問

「なんでつらい仕事をしなきゃいけないのですか?」(8歳・女子)

<答えてくれる人>中山治美(なかやま はるみ)さん

スポーツ新聞記者を経て、フリーの映画ジャーナリストに。映画サイト「シネマトゥデイ」ほか、多数の雑誌で連載。世界の撮影スタジオ、映画祭を取材中。

逃げずに諦めないことで見えてくる世界がある


『プラダを着た悪魔<特別編>』
発売元・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
価格:DVD 1419円(税別)
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『県庁の星 スタンダード・エディション』
発売元:フジテレビジョン
販売元:東宝
価格:DVD 3800円(税別)

 

「つらい仕事」は誰だってイヤです。ずーっと休みなく働きつづけるとか、上司に怒鳴られまくりながら働くなんてもってのほかです。でも、ちょっと待って!そもそも仕事って、「つらいだけ」のものなのでしょうか?
例えば、映画『プラダを着た悪魔』の主人公アンディを見てください。彼女はジャーナリスト志望だったのですが、対極的なファッション雑誌に勤務し、鬼のように恐ろしいカリスマ編集長のアシスタントとなります。希望の仕事に就けないというのも、つらいものです。でも、彼女は逃げません。編集長に認められれば、キャリアアップするかもしれません。それ以上に、プロ中のプロが真剣勝負している場はとっても刺激的。アンディの表情もどんどん輝いてくるのが分かるでしょう。
舞台を日本に移して、映画『県庁の星』の県庁職員・野村聡の場合を見てみましょう。彼はエリートで、民間企業との人事交流でスーパーに研修に行くことになります。ところがそこは、お客さんもまばらで店員たちもやる気なし。彼はスーパーの改革に乗り出しますが、誰もよそ者の声に耳を傾けてくれません。でも、彼は諦めません。お弁当の開発に、乱雑な倉庫の整理にと率先して行動を起こしたところ、少しずつ周囲に変化が表れはじめます。それが売り上げという結果につながったり、お客様に「ありがとう」とか「おいしかった」とか言われるようになると仕事が楽しくなってくるんですね。
登山で、頂上まで登れば絶景が見られるからと、がんばってしまうのと一緒かもしれません。「つらい」の向こう側に何らかのごほうびが待ち受けていることを信じているから、みんな、仕事に精を出すのでしょう。
大人になって、働いて、ぜひ「つらい」の向こう側をのぞいてみてください。体験した人しか味わえない世界が、きっとあるはずですよ。