しごとについての質問
どうして、あんなに身を粉にして働かなければいけないの?(16歳・男子)
<答えてくれる人>土井英司(どい えいじ)さん
貧しさは、怒りや悲しみ、暴力につながる
『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』
著者:西原理恵子
出版社:株式会社KADOKAWA
価格:1100円(税別)
どうして身を粉にして働かなければいけないか。それには二つ答えがあります。一つは、つらい思いをしないためです。長い人生では、何が起こるかわかりません。君、あるいはお父さん、お母さんが病気やケガ、詐欺に遭って、とんでもない貧困に陥るかもしれないじゃないか。『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』は、貧乏で苦労した人気漫画家の西原理恵子さんが、君と同じぐらいの年頃の女の子に向けて書いた本ですが、これには素晴らしい人生の教訓がたくさん載っています。西原さんの言葉を借りるなら、「貧しさからくるどうしようもない怒りや悲しみは、暴力になって、一番弱い者にいく」のです。もし君が貧困に陥ったら、自由だってありません。一生懸命働けば、自由が勝ち取れる。「自由ってね、有料なんですよ」(西原さん)
才能なんてなくても夢はかなうんだよ!(努力すれば)
『爆笑!日本美術マンガ おしえて北斎!』
著者:いわきりなおと
出版社:サンマーク出版
価格:1200円(税別)
身を粉にして働くもう一つの理由は、君が夢をかなえるためです。大人気の日本美術マンガ『おしえて北斎!』を紹介しましょう。このマンガの主人公、岡倉てんこりんは、何をやっても中途半端。努力が嫌いなのに絵師を目指す大井町高校の1年生。そんな彼女の前に、日本美術界のスーパースターたちが降臨して、才能がなくても夢をかなえる方法を教えてくれます。登場するのは、尾形光琳、狩野永徳、歌川国芳、伊藤若冲、雪舟、葛飾北斎など計10名。このうち何人かは、美術や歴史の教科書で見たことがあるんじゃないかな。
「夢なんて追いかけちゃいけません!」という親に耳を貸しちゃダメだ。むしろ若冲の言葉に耳を傾けよう。「社会に出たら何事も必死にやらなあかん どうせやるなら自分が好きなことを必死にやった方がいいと思いまへんか?」(伊藤若冲)