しごとについての質問
将来の仕事はどんな基準で選んだらいいですか?好きなことですか?給料ですか?(15歳・女子)
<答えてくれる人>土井英司(どい えいじ)さん
『自分の中に毒を持て』
著者:岡本太郎
価格:467円(税別)
出版社:青春出版社
「将来の仕事をどんな基準で選ぶか」、これは誰もが悩む問題ですね。先生も親も、多くの大人たちは「現実を見ろ」とか「好きなことで飯は食えない」とか言うと思いますが、現実にはどんな道を選ぶにしろ、仕事には困難が伴います。その困難を乗り越え、さらなる高みを目指すには、あなたがどれだけその仕事に情熱的になれるか、が重要です。
1970年大阪万国博覧会で「太陽の塔」を作った芸術家の故・岡本太郎は、こう言っています。
「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとはそっちに進みたいんだ。だから、そっちに進むべきだ」
そんなこと言われても自信がない? だったらこの言葉はどうでしょうか。
「そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。わが人生、他と比較して自分を決めるなどというような卑しいことはやらない。ただ自分の信じていること、正しいと思うことに、わき目もふらず突き進むだけだ」
『夕あり朝あり』
著者:三浦綾子
価格:710円(税別)
出版社:新潮社
信じられないかもしれませんが、多くの実業家は当初目指した道で成功しているわけではありません。でも結局は、「偶然に導かれるように」思いがけない仕事に出合っています。
日本初のドライクリーニング創業者、白洋舎の五十嵐健治の評伝『夕あり朝あり』は、偶然の導きのままに生きることがいかに素晴らしい収穫をもたらすか、教えてくれます。五十嵐さんは15歳の頃、「天下の糸平」と呼ばれた大富豪・田中平八の伝記を読み、一獲千金を志しますが、何度も挫折し、一文無しになった後、国の発展に貢献したいと思い、当時誰もやりたがらなかったドライクリーニング事業に挑みます。偶然、旅館で働いた経験、洗濯屋で働いた経験が幸いし、運命の導きで成功しました。どんな仕事や給料かで悩むよりも、人との縁を大事にすることで道が開ける、そんなことを教えてくれる本です。