しごとについての質問
テレビで見る社長ってすごい! うちのお父さんも自営業で社長だけど随分違う。どうして?(11歳・男子)
<答えてくれる人>土井英司(どいえいじ)さん
世界規模の社長は、資金もスピードも全く違う

『ゼロ・トゥ・ワン』
著者:ピーター・ティール withブレイク・マスターズ
序文:瀧本哲史
訳:関 美和
出版社:NHK出版
価格:1600円(税別)
同じ会社でも、最初から急成長をめざす「スタートアップ」と、自営業はまったく違います。
特に違うのは、「だれからお金をもらって会社をはじめているか」と、「どれだけ期待されているか」でしょう。おそらくキミのお父さんは、会社をはじめるためのお金を全部自分で出したか、親戚から借りているはずです。身内でお金のやり取りをしているから、マイペースで商売しても、とがめられることが少ない。スタートアップは、そうはいきません。
1998年にPayPalという決済サービスを始め、2002年には同社を15億ドルでeBayに売却して億万長者になったピーター・ティール氏は、著書『ゼロ・トゥ・ワン』でこんなことを書いています。
「偉大な企業とは世界を変える陰謀だ」「より良い世界を作ってきたのは、使命感で結ばれた一握りの人たちだった。その理由はごく単純だ。大組織の中で新しいものは開発しづらく、独りではさらに難しいからだ」
キミがこの思想に共感するなら、スタートアップを目指すといいでしょう。
キラリと光る小さな会社の存在は、とてつもなく大きい

『新版 小さな会社☆儲けのルール』
著者:竹田陽一、栢野克己
出版社:フォレスト出版
価格:1400円(税別)
ただ、そんなスタートアップも、いざ実現しようとすると、実力ある中小企業との協力が必要。アップルのiPodだって、新潟の中小企業、小林研業さんの「磨き」の技術がなければ実現しなかったし、携帯電話に必須のセラミック板は、愛知県のMARUWAが作っています。
キミが小さくても「光る」会社を作りたいなら、『小さな会社☆儲けのルール』を読むといいでしょう。ここには、小さな会社でも儲けるための秘訣がまとめられています。
「経営規模が大きくても、1位がとれない会社は利益が少ない」
「力のない小さな会社が、これから伸びる市場に手を出してはいけない」
「同業が弱い業種は勝ちやすい」
大きな会社も、小さな会社も、「社会をより良くする」という目的は同じです。2冊読み比べて、自分に合った方を選んでくださいね。