しごとについての質問
犬や猫が大好き。ペットに関する仕事に、どんなものがありますか?(12歳・女子)
<答えてくれる人>児玉ひろ美(こだまひろみ)さん
*JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団
働く犬を育てる、訓練士という仕事があります

『新・はたらく犬とかかわる人たち』全3巻
著者:こどもくらぶ
出版社:あすなろ書房
価格:各3000円(税別)
犬や猫を始めとするペットが家族の一員として生活するようになった近年、犬の訓練士が職業として注目を集めています。実際には訓練士にはどんな種類があるのでしょう?
『新・はたらく犬とかかわる人たち』では、知っているようで具体的には知られていない犬に関わる仕事の種類とその内容を、たくさんの写真を用いて紹介しています。全3巻のうち1巻では福祉の分野で人のパートナーとして活躍する補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬ほか)の歴史と役割について、2巻では社会の安全や安心を守る警察犬・災害救助犬・麻薬探知犬の働く様子をそれぞれ紹介しています。そして3巻では、1、2巻で紹介した働く犬たちを育てる訓練士について、ボランティアでの関わり方とともに解説しています。
そう、犬の訓練士の仕事を知るためにはまず、どの分野で活躍する犬に関わってゆきたいのかを考えることが大切なのです。また、3巻には犬の訓練士の適性チェック、10項目も紹介されていますので、まずはそれから目を通しても良いでしょう。
動物愛護センターの仕事を、どうぞ知っておいてください

『犬たちをおくる日―この命、灰になるために生まれてきたんじゃない』
著者:今西乃子
写真:浜田一男
出版社:金の星社
価格:600円(税別)
家族の一員として、あるいは仕事のパートナーとして大切な犬たちですが、残念なことに、この世に命を受けた全ての犬が、大切にされるわけではありません。『犬たちをおくる日―この命、灰になるために生まれてきたんじゃない』は、愛媛県動物愛護センターの仕事を紹介したノンフィクションです。そこでは、獣医師の資格を持ちながら、犬の病気やけがを治すのではなく、そこに運び込まれた犬たちの殺処分に関わらねばならない仕事があります。
愛護センターとは、犬の命を奪う場所なのだろうか? そんな葛藤のなかで、なんとか1頭でも多くの命を救うためにできることはないのか? センターで働く人々の懸命な努力がつづられています。と同時に、救いきれない命のゆくえについても、つらい事実が伝えられています。
生き物に関わる仕事に就くということは、命を預かる仕事です。つらくても、知っておいてほしいと思います。一人で読むのが不安な時は、気持ちを話し合えるお友達や、ご家族と一緒に読み、読後に語り合うのもお勧めです。