サーキットで旗を振るあのひと、何してる?

2019.08.28 あのひと何してる?

コースオフィシャル

ここ鈴鹿サーキットでは、二輪、四輪の大小さまざまなレースが年間約40レース行われているよ。各レースを見守り、コースサイドに設置された「監視ポスト」から旗を振っているのがコースオフィシャルだ。F1ほどの大きなレースになると、約250名ものコースオフィシャルが活動しているんだって。(写真提供/鈴鹿サーキット)

多数の旗を操り、ライダーにレース状況を知らせる


コースオフィシャルは、競技中のコース状況をライダーやドライバーに旗で知らせると同時に、違反行為の監視をしています。

コースで振られる旗は、レース再開を知らせるグリーンフラッグ、ゴール地点でのチェッカーフラッグなどのほか多数あります。

写真では、セーフティーカーの導入を知らせるサインボードと、ホワイトクロスの旗を提示して追い越し禁止を知らせています。

鈴鹿8耐で走るバイクの平均速度は時速161km。強風や雨の日でもレース状況に応じた旗を即座に提示し、コンマ数秒のレースを争うライダーやドライバーに見やすいように大きく振ることを心がけているそうです。

また、コース内の安全を守ることも大事な仕事。競技前のコースに入り、竹ぼうきでタイヤカスなどを掃除しながら、コースに異常がないかの確認も怠りません。コースアウトやクラッシュしたマシンの撤去を迅速に進め、ライダーやドライバーを安全な場所に待避させることもします。

他の監視ポストとの旗の連携、車両撤去のオペレーターとの打ち合わせなど、コースオフィシャルの仕事はすべてチームプレーで成り立っています。鈴鹿8耐や鈴鹿1000kmなど長丁場で過酷なレースを乗り切るためにも、責任感とコミュニケーション能力が何より必要とされています。

コースオフィシャルには、どうしたらなれるの?


サーキットの職員ではなく、レースが開催されるときにだけ活動するボランティアです。会社員を中心にさまざまな職種・業種の人が、サーキットのホームページの募集広告に応募し、都合に合うレースに参加しています。

18歳以上で、「モータースポーツが好き!」という情熱があれば、誰でも経験できます。

協力/鈴鹿サーキット
取材・文/内藤綾子