スタントマン
高層ビルから決死のダイブをしたり、暴走中の車に飛び乗ったりと、迫力満点のアクションを華麗に行うスタントマン。写真はファイヤースタントを練習している現場だけど、ハラハラドキドキするね。危険と隣り合わせのスタント業界には、現在20~50代が活躍し、女性も1割いるんだって。(写真提供/シャドウ・スタントプロダクション)
ドラマなどの危険なシーンを俳優の代わりに演じる“影武者”
映画やテレビドラマ、舞台イベントなどで、俳優の代わりに危険なシーンを演じるのが、スタントマンです。断崖絶壁からの飛び込み、飛行中の飛行機からのぶら下がり、衝突しそうな車や列車内での格闘、階段落ち、火だるま、爆破、殺陣(たて)、ワイヤーアクションなど、非常にリスクの高いパフォーマンスを行っています。その他、交通安全教室のデモンストレーションやゲームのモーションキャプチャー、特撮のスーツアクターなど、数多くの場で活躍しています。
いかなる現場でも、少しの判断ミスや体のズレ、チームワークの乱れが、大ケガや命の危険につながります。ファイヤースタントの場合、全身を耐熱スーツで包み、顔など露出部分には防火ジェルを塗って火だるまシーンを熱演。最後、うつ伏せに倒れたことを合図に、スタッフが一斉消火します。タイミングを間違えると大やけどになるため、チーム全員が一瞬たりとも気を抜きません。
激しいスタントを終えたあとは、自転車、バイク、車などスタントに使う車両の整備、細工、改造など、メカニックの仕事も担当。スタントで壊れた車両を、再使用できるように直す高い整備技術を身につけています。
スタントシーンはやり直しがきかない一発勝負のうえ、同じ現場はありません。優れた反射神経と体力が必要であり、日頃から筋トレや柔軟運動を欠かさず、十分な準備と最大限の安全を確保して撮影に臨んでいます。
どうしたらスタントマンになれるの?
スタントマンの養成所へ入るか、スタントマンの練習に参加し、スタント技術やアクションの演技、安全管理などを学ぶのが一般的。寮に入って四六時中スタントを学べる体制になっているプロダクションも。卒業後は、芸能事務所やスタント専門のプロダクションに所属して仕事を請けます。柔道などの受け身や体操の経験、車やバイクの免許があると有利です。