薬局で白衣を着ているあのひと、何してる?

2019.08.28 あのひと何してる?

薬剤師

病院で診察を受けた帰りに薬局へ寄って、薬剤師から説明を受けて薬を受け取ることがあるよね。実は、薬剤師の仕事の現場は薬局だけではないんだって。幅広い仕事内容を見てみよう。(写真提供/株式会社ココカラファイン)

命にかかわる仕事には、専門的な知識と正確さが不可欠


薬剤師は、医薬品全般についての知識や調剤技能を持った「薬」の専門家です。主な仕事場は薬局での調剤ですが、さまざまな現場で働く薬剤師もいて、仕事内容も違います。

・病院……調剤業務だけでなく、入院患者のベッドへ行き、服薬指導や薬の管理指導なども行います。また、退院のときには退院後の薬の説明もします。

・製薬企業……新しい薬を開発するための実験や、製造された薬の有効性や安全性を確保するための試験を行っています。

・国や都道府県などの自治体……薬事関係の業務のほか、薬品や有害物質の検査や分析をします。

・学校……学校保健安全法によって学校薬剤師がいて、飲料水やプールの水などの衛生環境の調査、測定や改善指導を担当したり、児童への薬の教育を行ったりしています。

皆さんがよく知る薬局での仕事は、医師の処方せん通りに調剤するだけではありません。患者さんの体質や服薬状況、治療に対する考えなどを聞きながら、安全に安心して薬物治療が続けられるようにサポートしています。そのために処方せんの記載ミスがないか、薬の飲み合わせや飲み方、患者さんに適した薬剤かどうかを確認しています。

健康や命に関わる仕事なので、何より求められるのは正確であること。薬を間違いなく服用してもらうため、患者さんからいろいろな話を聞き取る姿勢が大切です。そのため、身だしなみや言葉遣いには気をつけて、信頼される態度で接するように心がけています。

日々開発される薬の新しい情報を正しくキャッチするために、メーカーや卸業者など信頼できる機関から情報を仕入れ、勉強も欠かしません。

どうしたら薬剤師になれるの?


6年制の薬科大学や大学の薬学部などで学び、薬剤師国家試験に合格することが必要です。

協力/株式会社ココカラファイン
取材・文/内藤綾子