俳優 のしごと

2026.09.25 紹介します○○のしごと
山下啓太さん
『ライオンキング』でシンバ役を熱演する山下さん下坂敦俊撮影、(C)Disney 劇団四季ディズニーミュージカル『ライオンキング』は東京・有明四季劇場にてロングラン上演中です
山下啓太さん顔サークル写真

山下啓太さん

劇団四季

常に「役として生きる」準備を

劇団四季ディズニーミュージカル『ライオンキング』はアフリカの大地を舞台に「生命のつながり」をテーマにえがかれる物語です。

劇団四季の俳優として、現在シンバ役を務めている山下さん。演劇を学んでいた短期大学時代に、恩師のすすめで劇団四季の門をたたきました。

あこがれはあったものの、まさか自分がこの舞台に立てるとは思っていなかったそうです。結果は合格。初舞台は『ライオンキング』のアンサンブル(複数の役で支える出演者)でした。

その後、さまざまな作品で経験をつむ中で「いつかシンバを演じてみたい」と願い、何十回もシンバ役のオーディションに挑戦。しかし、不合格が続きました。それでも挑戦をやめず8年目の挑戦でついに合格。約1年の稽古期間を経て、シンバとしてデビューしました。

シンバ役は上半身を大きく使う動きが多く、「肉体そのものが衣裳」といわれるほど。もともと細身だった山下さんは合格してからの1年間、食事と筋トレで体を作り上げました。現在も体を維持する努力を欠かしません。メンタル面も重要です。つねに緊張と向き合いながら本番以外の時間も「シンバとして生きる」ための準備を続けています。

舞台は「生もの」。その日その瞬間にしか生まれない空気を、仲間とともに作り上げることが、俳優としての大きな喜びだと語ります。「公演は緊張しますが、カーテンコールのお客さまの笑顔と拍手は何度味わっても新鮮です」

実は高校時代に俳優の道へ進むことを決めた時点では、本格的な舞台を見たことがなかったという山下さん。最初の観劇に選んだのが『ライオンキング』でした。

「シンバはライオンですが、その姿は私たちの生き方と重なります。いいことばかりじゃない人生の中で、どう立ち上がるか。悩み、もがきながら成長していく姿は、身近に感じられるはず。それがこの作品、役を演じる魅力です」。山下さんは、今日もシンバとして舞台に立ち続けています。

あゆみ

小学校時代
友だちに誘われ、地域の少年少女合唱団に参加。ソプラノを担当し楽しく活動する。
中学・高校時代
中学では柔道部や陸上部に入部するも、早々に退部。その後入ったダンス部で、踊る楽しさに夢中になる。高校では軽音部とダンス同好会に所属。さらに体育祭や文化祭のパフォーマンスに参加。「人前で披露して喜んでもらう楽しさ」を確信、俳優の夢が芽生える。また、この時期に劇団四季ディズニーミュージカル『ライオンキング』を初めて観劇、その思いをより強くする。
短期大学時代
桐朋学園芸術短期大学で演劇を専攻。
2008年~現在
劇団四季のオーディションを受け、合格。さまざまな舞台を経験し、『ライオンキング』のシンバ役などを務める。

なるためには?

まずは自分の好きなことに正直に向き合い、失敗をおそれず、どんどんチャレンジすること。 歌やダンス、演技ももちろんですが俳優は舞台に限らず、自分の経験や心を大きく使う仕事です。だからこそ、自分の気持ちにしっかり向き合う力がとても大切です。

どんな小さな「好き」でも、それを大切にし続けることが、きっと未来につながっていくと思います。

必要なものは?

最高の舞台を届けるため体のケアが第一優先。体をほぐすためのストレッチボールは常に持参しています。水を入れたペットボトルはストローで水をぶくぶく。声が出しやすくなります。

山下啓太さん必須アイテム

思い出の仕事

2011年の東日本大震災の後、東北からの学校団体が軒並みキャンセルになる中、1校だけ来てくださった公演がありました。

大変な思いをされながらも足を運んでくれた数十人のお客さま。カーテンコールでは温かな拍手と笑顔にあふれ、本当に心から楽しんでいる様子に胸を打たれました。

俳優をしていてよかったと思った瞬間です。

2026.8. 10付 朝日小学生新聞
構成・篠崎嘉代子

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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