雑貨店の店主 のしごと

2026.08.26 紹介します○○のしごと
雑貨店の小池さん
店内で商品のかごを紹介する小池さん=2月、東京都新宿区
雑貨店の小池さん

小池梨江さん

jokogumo(東京都新宿区)店主

生活に長く寄りそう品を店頭に

小池さんが店主をつとめる生活道具店「jokogumo」では、器やかごなど暮らしにまつわる商品を販売しています。

商品に共通しているのは「長く使えるもの」であることです。国産の木やうるしなどの自然素材を使って、伝統的な技法でつくられた「工芸品」が多く並んでいます。これらは、小池さんが全国各地の産地を訪ねて集めたものです。

商品は東京都新宿区にある実店舗のほか、ウェブサイトでも販売しています。またお店では、うるしのぬり直しなど、買った後の商品の修理も受け付けています。

小池さんが、「長く使えるもの」のよさを伝えたいと考えるようになったのは、20代後半で参加した、豊島(香川県)でのイベントがきっかけです。ごみ問題に苦しんだ過去がある豊島の歴史を知り、環境問題がより自分ごとになりました。この経験をきっかけに自分の身の回りを見直し、使い捨てをやめたり、長く使えて環境への負担が少ないものを選んだりするようになりました。

その中で小池さんが気づいたのが、日本の工芸品のすばらしさ。「職人の工夫や知恵がつまっていると同時に、環境にもやさしいことを知りました。その魅力を伝えるために自分ができること、それがお店を始めることでした」

商品の背景ていねいに伝える

小池さんがお店で大切にしているのは、自分がよいと思ったものを自分の言葉で伝えることです。お客さんとの会話やウェブサイト、SNSなどを通じて、産地を訪ねたときの様子や、商品一つひとつの背景をていねいに説明しています。

また、「お客さんの生活に本当に必要なものを買ってもらいたい」と小池さん。そのため、無理にすすめることはせず、迷っているお客さんには「もう少しなやんでからでもいいのでは」と声をかけることもあるそうです。

今後も商品の販売を通して、日本の工芸品の魅力や背景、「長く使えるもの」のよさを伝え続けます。

あゆみ

小学校時代
小学2年生から6年生までサッカーをしていた。キャプテンもつとめた
中学・高校時代
家の間取り図を見たり、部屋のもようがえをしたりすることが趣味になる。季節によって部屋のかざりつけを変えるなどして、楽しんでいた
大学時代
大阪芸術大学芸術学部デザイン学科空間デザインコースに進学。空間設計を学ぶ
大学卒業後
雑貨店でアルバイトをしながら海外で暮らすためのお金をためる。1年間カナダで暮らし、帰国後に参加したイベントをきっかけに環境問題により興味を持つように
2008年~現在
生活道具店をウェブサイトで始める。翌年には実店舗もオープン。現在もウェブサイト・実店舗の両方で販売を続ける

なるためには?

雑貨店を始めるのに特別な資格はありません。大切なのは、自分の好きなものは何か、なぜそれがよいのかを伝えられるよう整理することだと思います。「みんなが好きだから」「人気だから」という理由だけで選んだ商品を置いても、どこにでもあるお店になってしまうからです。

どんなお店にしたいのかをしっかりと考え、自分にできることから「小さく始める」のがよいと思います。

必要なものは?

商品の魅力や背景、長く使えるもののよさをお客さんに伝えるための「言葉」です。お客さんと話したりウェブサイトで発信したりするときにどうすれば興味を持ってもらえるか、いつも考えています。

( jokogumoウェブサイトから)

思い出の仕事

何度もお店に足を運んでくれていたお客さんが、なやんだ末に「これまで高いお皿を買ったことがないけど使ってみたい」と、5千円の木のお皿を買ってくれたことがありました。

数年後にそのお客さんから「あのとき買ってよかったし、自分の生活を見直すきっかけになった」と言われたときはうれしかったです。

自分がやりたかったことができたと実感した瞬間で、やりがいを感じました。

2026.4. 6付 朝日小学生新聞
構成・土居りさ子

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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