フィジカルトレーナー のしごと

2026.07.15 紹介します○○のしごと
フィジカルトレーナーの古谷有騎さん
大学の陸上部員のストレッチをする古谷有騎さん=2025年11月、東京都新宿区のCLUB100
フィジカルトレーナーの古谷さん

古谷有騎さん

スポーツモチベーション(東京都新宿区)

「体」づくりのお手伝い

古谷さんは、1対1で指導するパーソナルジムで働きます。ジムを訪れると、駅伝の強豪で知られる大学の陸上部員につきっきりになり、ストレッチやトレーニングをしていました。

利用者の要望に対し、筋力トレーニングや有酸素運動などのメニューを組み、体の状態をよくしていくのがフィジカルトレーナーの仕事です。「なやみや、どうなりたいかを聞くところから始めます。柔軟性や筋力、体脂肪量などを測り、どういうトレーニングや体操が必要かを『処方』していきます」

ある中学生の利用者は、サッカー部の試合で活躍することをめざしていました。まわりの部員と比べて小柄で、ぶつかったときに当たり負けしてしまうのがなやみでした。

「体幹を安定させて、相手がぶつかっても衝撃を吸収し、バランスをくずさずにプレーできることが必要でした」。不安定な円盤状のトレーニング器具の上に片足で立ち、ボールをけるといった動きを提案。体幹をきたえていきました。

また、右利きのため、左足でけるのが苦手でした。股関節と上半身を連動させる体操をし、左足でもうまくけられるように。「できないことができるようになった」と喜んだそうです。

あゆみ

1992年
千葉県生まれ
小学校時代
幼いころから水泳をしていた。ただ、3、4年生ごろまで小児ぜんそくの症状があり、学校のマラソン大会などは参加できずにいた
中学校時代
すっかり元気になり、サッカー部と駅伝部に所属。生徒会活動もした
高校時代
千葉県立柏南高校に進学。引き続き、サッカー部で汗を流した
大学時代
東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科(当時)へ。知識を生かそうと、フィットネスクラブでアルバイトを始めた。2年生のときに、民間のパーソナルトレーナーの資格を取得。3年生からスポーツモチベーションにアルバイトとしてかかわる
2016年
スポーツモチベーションに入社
2018年
運動処方の知識などが問われる「アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士」の資格を取る
やりがいや苦労

調子のうきしずみに寄りそう

 利用者は、1月の「箱根駅伝」で3年連続の総合優勝をはたした青山学院大学の選手たちや、がんを経験した人などさまざま。ある70代の男性は、がんで片胸の筋肉を摘出し、手を前に押す動作が難しい状態でした。あおむけになり、軽いダンベルを持ち上げる動作から始め、「階段をのぼりやすくなった」などとうれしい反応がありました。


「常にお客さまと顔を合わせ、いっしょにトレーニングしたり、話したり。ともに喜び合えるのは大きなやりがいです」。調子が悪くなったときは、その都度、内容を見直します。「人生の波をともに歩んでいく感覚です」

おしごとあるある

常に人の動きを見ています。外を歩いているときに、前を歩いている人や階段をのぼっている人の動きが目に入ると「ここが痛いのかな」「ここが安定していないな」と思います。なぜこういう歩き方なのか、その原因を探ってしまうくせがあります……。


お客さまに対して、気になるところをどのタイミングで言うかは考えます。いまそこを気にしてほしくない、というときはあえて伝えません。

なるためには?

一般的には大学のスポーツ系の学部などで学んでから、フィットネスクラブやジムに就職することが多いです。民間の資格がいくつかあります。ただ、資格を取るだけでは足りず、経験を積みながら、けがや病気、食事などの知識を身につけていく必要があります。


人の話を聞けることも大切。なやみに耳をかたむけて、その人のために何かをしたいと思えることが、スポーツが好きという気持ち以上に大事だと思います。

必要な道具は?

動画を撮るためのタブレット端末。利用者が歩いたり走ったりする様子を撮影し、トレーニングの前後でどう変わったかを見せるために使います。自分の目で変化を確かめられるよさがあります。

フィジカルトレーナーの仕事の様子

2026.1. 12付 朝日小学生新聞
構成・中塚慧

毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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