

古谷有騎さん
スポーツモチベーション(東京都新宿区)「体」づくりのお手伝い
古谷さんは、1対1で指導するパーソナルジムで働きます。ジムを訪れると、駅伝の強豪で知られる大学の陸上部員につきっきりになり、ストレッチやトレーニングをしていました。
利用者の要望に対し、筋力トレーニングや有酸素運動などのメニューを組み、体の状態をよくしていくのがフィジカルトレーナーの仕事です。「なやみや、どうなりたいかを聞くところから始めます。柔軟性や筋力、体脂肪量などを測り、どういうトレーニングや体操が必要かを『処方』していきます」
ある中学生の利用者は、サッカー部の試合で活躍することをめざしていました。まわりの部員と比べて小柄で、ぶつかったときに当たり負けしてしまうのがなやみでした。
「体幹を安定させて、相手がぶつかっても衝撃を吸収し、バランスをくずさずにプレーできることが必要でした」。不安定な円盤状のトレーニング器具の上に片足で立ち、ボールをけるといった動きを提案。体幹をきたえていきました。
また、右利きのため、左足でけるのが苦手でした。股関節と上半身を連動させる体操をし、左足でもうまくけられるように。「できないことができるようになった」と喜んだそうです。
- 1992年
- 千葉県生まれ
- 小学校時代
- 幼いころから水泳をしていた。ただ、3、4年生ごろまで小児ぜんそくの症状があり、学校のマラソン大会などは参加できずにいた
- 中学校時代
- すっかり元気になり、サッカー部と駅伝部に所属。生徒会活動もした
- 高校時代
- 千葉県立柏南高校に進学。引き続き、サッカー部で汗を流した
- 大学時代
- 東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科(当時)へ。知識を生かそうと、フィットネスクラブでアルバイトを始めた。2年生のときに、民間のパーソナルトレーナーの資格を取得。3年生からスポーツモチベーションにアルバイトとしてかかわる
- 2016年
- スポーツモチベーションに入社
- 2018年
- 運動処方の知識などが問われる「アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士」の資格を取る
調子のうきしずみに寄りそう
利用者は、1月の「箱根駅伝」で3年連続の総合優勝をはたした青山学院大学の選手たちや、がんを経験した人などさまざま。ある70代の男性は、がんで片胸の筋肉を摘出し、手を前に押す動作が難しい状態でした。あおむけになり、軽いダンベルを持ち上げる動作から始め、「階段をのぼりやすくなった」などとうれしい反応がありました。
「常にお客さまと顔を合わせ、いっしょにトレーニングしたり、話したり。ともに喜び合えるのは大きなやりがいです」。調子が悪くなったときは、その都度、内容を見直します。「人生の波をともに歩んでいく感覚です」
おしごとあるある
常に人の動きを見ています。外を歩いているときに、前を歩いている人や階段をのぼっている人の動きが目に入ると「ここが痛いのかな」「ここが安定していないな」と思います。なぜこういう歩き方なのか、その原因を探ってしまうくせがあります……。
お客さまに対して、気になるところをどのタイミングで言うかは考えます。いまそこを気にしてほしくない、というときはあえて伝えません。
なるためには?
一般的には大学のスポーツ系の学部などで学んでから、フィットネスクラブやジムに就職することが多いです。民間の資格がいくつかあります。ただ、資格を取るだけでは足りず、経験を積みながら、けがや病気、食事などの知識を身につけていく必要があります。
人の話を聞けることも大切。なやみに耳をかたむけて、その人のために何かをしたいと思えることが、スポーツが好きという気持ち以上に大事だと思います。
必要な道具は?
動画を撮るためのタブレット端末。利用者が歩いたり走ったりする様子を撮影し、トレーニングの前後でどう変わったかを見せるために使います。自分の目で変化を確かめられるよさがあります。

2026.1. 12付 朝日小学生新聞
構成・中塚慧
毎週月曜連載中の「教えて!〇〇のしごと」から記事を転載しています。
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